◆米大リーグ ドジャース11―5ジャイアンツ(14日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 大谷にとって環境が大きく変わった約2か月だった。4月には第1子の長女が誕生。

パパになった。さらに投手復帰への調整も本格化。5月25日からはライブBPで実戦登板もスタートした。

 そんな大谷が5月のある日、一塁へ出塁した際に、ウッドワードコーチにこう漏らしたことがあったという。「少し疲労がたまっていて調子がよくない」。弱音を吐くことがほとんどない男の一言に驚いた同コーチは「なら、ここにいていい」と、盗塁を狙わなくてもいいことを伝えた。

 実際に盗塁数は激減している。昨季は自己最多59盗塁。7月以降の77試合で43盗塁で、今季も4月までに9盗塁を決めたが、5月以降は2盗塁のみで、5月24日以降は企画すらない。大谷は「打ったのがほとんどホームランになっている。そこまで行く必要のない場面で一塁にいることが多いので、必然的に減っている印象」と話すにとどめた。首脳陣からの投手復帰や昨年11月の左肩手術の影響による盗塁禁止令は出ていないが、体調も考慮して、盗塁を試みることが激減した。

 得意の6月もこの日の試合開始前までは12戦1発のみ。平凡なゴロの場合に一塁へ流して走る場面もあるなど、たしかに疲労が目に見える場面もあった。ライブBP登板については「負荷が高い」といいながらも「必ず通らないといけない道」と、二刀流復帰への道を進んでいる。15日(日本時間16日)には父になって初めて「父の日」を迎える。この日も試合前にブルペン入りなど打席以外で忙しかったが、大谷らしく壁を乗り越えて、1試合2発。復調の兆しが見えた。(安藤 宏太)

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