◆米大リーグ ドジャース―ジャイアンツ(15日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(30)のメジャー復帰登板についてロバーツ監督が15日(日本時間16日)、本拠地・ジャイアンツ戦前の会見で大幅前倒しになる可能性があることを示唆した。

 すでに3度、ライブBP(実戦形式の練習)で登板。

10日(同11日)の敵地・パドレス戦前には最多の3イング想定で44球を投げ、近日中にも4度目の登板が予定されている。次回の実戦登板になる可能性について指揮官は「可能性はある。彼は非常に意欲的で、非常に興奮している」と明かした。早ければ6月中にも、23年8月以来2年ぶりのメジャー登板する可能性が浮上した。

 当初はオールスター後とされてきた大谷のメジャー復帰登板。10日(同11日)の3度目のライブBPでのべ11人の打者と対戦して無安打、6奪三振と好投した後にロバーツ監督は、オールスター前の復帰について「ゼロではないことは間違いない。そう答えておこう。確実にゼロよりは上だ」と含みを持たせ、一気に急転した。

 なぜ、突然大谷の投手復帰が大幅に前倒しされたのか。チーム事情がありそうだ。ドジャースの先発ローテはスネル、グラスノー、佐々木、ゴンソリンが故障で離脱。スネル、グラスノーは復帰へのステップを踏んでいるとは言え、まだ時間がかかる。

現時点でローテに定着しているのは山本、カーショー、メイの3人だけ。リリーフへの負担も増しており、前日14日(同15日)の本拠地・ジャイアンツ戦では11点リードの9回にE・ヘルナンデスをマウンドに送るほど、1イニングでも投手の起用を避けたいという意図が見られた。それだけぎりぎりの状態で投手起用を続けている。

 さらに、ロバーツ監督は、「現在の状況において、1イニングや2イニングのオープナーとして投げてもらえるだけでも、我々にとっては大きな意味がある。それはチームにとっての利益であり、代償(代わりの選手をマイナーに降格させるなどの)が不要な追加戦力となる」と説明。現行ルールでは出場選手登録できるのは26人で、投手13人、野手13人と規定されている。大谷は二刀流枠で登録されるため、投手枠には入らず、大谷が加わると実質的に14人の投手を起用することが出来る。だがら、たとえ先発して1、2イニングだけ投げるだけでも、投手陣にとっては大きな助けとなる。

 前日14日(同15日)に大谷は「十分試合で投げられるレベルには近づいているなと思っています」と話していた。

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