巨人・坂本勇人内野手(36)が16日、17日から始まる日本ハム、西武との本拠地6連戦での一戦必勝を誓った。3勝7敗1分けで交流戦最下位に沈む苦境を「みんなでやっていくしかない」と一丸で乗り越える決意だ。
記録ラッシュの「SAKAMOTO DAYS」から、チームを連勝街道に乗せていく。敵地でのオリックス戦3連敗で交流戦は単独最下位に転落したが、坂本は「今はチームとして良くないですけど、切り替えて。何とかみんなでやっていくしかないと思う」と、仕切り直しの6連戦に闘志をたぎらせた。貯金が消滅したチームだが、東京Dでは18勝8敗と大きく勝ち越し。過去19季の交流戦最下位チームのシーズン最終順位は3位が最高成績というデータもあるだけに、地の利を生かして上位浮上への足がかりをつかみたい。
その本拠地で節目にたどり着こうとしている。07年7月12日・阪神戦のプロ初出場から、19年間で積み上げた東京Dの通算出場は997。今週の6連戦で1019試合の阿部慎之助に続く史上2人目の大台に到達する。「2000安打の時だったりは印象に残っている」と、自身が生まれた88年に開業した東京Dで数々の歴史を作ってきた。自身としては約1か月ぶりに戻るドームで、新たな1ページを刻む。
交流戦通算332安打は栗山巧(西武)の337本に残り5。通算67二塁打は今江年晶(ロッテ、楽天)の69本まであと2本と、それぞれ歴代1位の記録更新を射程圏に捉えている。6連戦をメモリアルラッシュで飾れれば、チームの上昇ムードが高まることは間違いない。
状態は確実に上向いている。1軍に再昇格以降の5安打は全てファーストスイングで捉えた当たり。「ひと振り目で仕留められているっていうのは絶対いいこと」と話していたように、バロメーターの1つとなる数字だ。外野の正面をつくライナーなど紙一重の打席も増えている。打たれた投手には三塁から真っ先に声をかけ、阿部監督が「チームにとって、いるいないで違うところもある」と昇格時に期待した精神的支柱としての役割も果たしている。
昨季は一発を放てば7戦全勝と、坂本のバットがチームを乗せることは数字にも表れている。人気漫画「SAKAMOTO DAYS」の主人公のように、黙々と自分の仕事に徹し、苦境にあるチームを守り抜く。(内田 拓希)
◆SAKAMOTO DAYS 「週刊少年ジャンプ」で連載されている人気漫画。主人公・坂本太郎は伝説の殺し屋だったが、コンビニで働く女性に一目ぼれし、引退。