◆米大リーグ ドジャース―パドレス(16日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(30)が16日(日本時間17日)、本拠地・パドレス戦に「1番・投手」でスタメン入りし、先発登板した。

 ついに「投手・大谷」がマウンドに戻ってきた。

エンゼルス時代の23年9月19日に18年以来2度目の右肘手術。昨年3月にキャッチボールを再開させ、同8月からはブルペンにも入った。昨年11月に左肩手術もあり、3月にはブルペン入りをやめてペースを1度は落としたが、5月25日に初めてライブBP(実戦形式の練習)に初めて登板。3度の登板を経て前日15日(同16日)の試合後に急きょ先発登板が発表された。

 大谷は投手調整について14日(同15日)の試合後には「前回の(ライブBP)登板も強度的には問題なかったですし、十分試合で投げられるレベルには近づいているなと思っています」と手応えを口にし、二刀流復帰へも「去年はDHだけで出ましたけど、2つ同時にやっていくのが通常のスタイルではあるので、特に気にすることなく、復帰したら復帰したで、今まで通り。逆にそれが今まで通りだなと思って入ればいいんじゃないかなと思います」と意気込んでいた。

 長い道のりだった。23年8月23日の本拠地・レッズ戦で登板した際に右肘の異常を感じて緊急降板。その後も打者で出場を続けたが、9月に右脇腹を痛めて打者ですら出場できなくなり、シーズン終了を待たずに2度目の右肘手術を受けた。12月にはドジャース移籍が決定。2月には真美子夫人との結婚を発表し、3月の開幕直後には元通訳のスキャンダルで分かれも迎えた。打者に専念した昨季は54本塁打、59盗塁でMLB史上初の「50―50」を達成。

本塁打王と打点王(130打点)に輝き、2年連続3度目のMVPも受賞した。

 初めてのポストシーズンにも出場すると勢いに乗って一気に頂点にも立った大谷。だが、ワールドシリーズ中に二盗を試みた際に左肩を脱臼して11月には手術を受けた。投手復帰は当初は今年5月と見込まれていたが、3月に一時打者に専念するため変更。オールスター後の復帰登板が濃厚とみられていたが、投手陣に故障者が続出するチーム事情もあってこの日の登板が決まった。通常の投手の手術からの復帰ではあり得ないほど濃いリハビリ期間を過ごしてきた。ようやく二刀流が戻ってきた。

 試合前にはゴームズGMが「今日はビッグデーだ。我々は以前から翔平を見てきたが、今、彼がここにいて、(投打)両方をこなせるというのは本当に素晴らしいことだ。彼がここに至るまでに経験してきたこと、リハビリをして、チームのために一生懸命取り組んできたことを知っているからこそ、彼がマウンドに立つ姿を見ることができるのは非常にエキサイティングだ」と話し、ロバーツ監督は、投球制限について「投球内容、球数、イニング後の体調次第」と明言はしなかった。

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