◆米大リーグ ドジャース6―3パドレス(16日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)
大谷は663日ぶりの登板となったが、指にしっかりとかかった球も多かった。マイナー登板という通常の段階を踏んでいない中、さすがに力むような場面もあったが、上々の復帰登板だったと言える。
春季キャンプでの投球練習を見た時より肘の角度はやや下がっていた。キャンプの時は腕を縦に振ろうという意識が強かっただろうが、実戦に入って打者を打ち取るためにスライダーやツーシームを投げ始めた影響だろう。あまりに下がりすぎてくると、左肩の開きが早くなって右肘に負担がかかってくる。故障のリスクを減らすために、意識していく必要があるだろう。
安打も詰まった当たりが野手の間に落ちる不運なものや、追い込んでからコンパクトに合わせられたもの。投手にとっては打者との間合いがうまくつかめなかった時にそういう安打はよく出るし、その間合いがまだずれているのは、ブランクを考えれば仕方のないことだ。実戦を重ねて打者に対して投げていくことで解消されていくし、二刀流での出場に対する疲労やリズムも体が思い出すだろう。(野球評論家・髙橋 尚成)