◆日本生命セ・パ交流戦 2025 DeNA0―3西武(17日・横浜)

 ひとつ息を吐き力を込めた。9回先頭から連続三振を奪った西武・今井達也投手(27)が、最後は梶原を157キロ直球で空振り三振に斬った。

この日17個目の三振。04年9月1日・ロッテ戦(千葉マリン)での松坂大輔の16奪三振を抜いて球団最多記録を更新したが、「試合が終わって知ったのであんまり意識はなかった」と表情を変えなかった。

 圧巻の奪三振ショーで球場の空気を支配した。球団では17年8月10日・オリックス戦(京セラD)での菊池雄星以来となる毎イニング奪三振で9回2安打無失点。自身初となる無四死球完封で試合を締めた。2~3回にかけて4者連続、5~7回には6者連続三振もマーク。今季2度目となった9回のマウンドでは3者連続三振を奪い「三振の数もそうですけど、無四球で終われたのが一番の成長かな」と胸を張った。

 相手先発・バウアーとの投げ合いを心から楽しんだ。初回は3者凡退。5回、先頭の牧に右翼線二塁打を許し初めて得点圏に走者を背負ったが、続く松尾を遊ゴロ。「1点差だったし0で帰ることだけ考えて」とギアを上げ筒香、三森を連続三振に封じた。7回2死では牧を空振り三振に斬ると、マウンド上で両手で刀を振り下ろす「ソードセレブレーション」を真顔で決めた。

バウアーの代名詞でもあるポーズを披露し「すごくマウンドが楽しかったので。最後三振とってやりたいなって」と声が弾んだ。

 104奪三振でリーグトップを奪い返し、勝利数、防御率で“投手3冠”も「まだレベルの高いピッチャーを目指さないといけないと思うので、まだまだ頑張ります」。向上心の尽きないエースはここからさらに飛躍する。(大中 彩未)

◆記録メモ 今井(西)がDeNA戦で毎回の17奪三振で自身初の無四死球完封勝利。17奪三振は、球団では04年9月1日ロッテ戦の松坂大輔の16奪三振を抜いて最多となった。また、毎回奪三振は球団では17年8月10日オリックス戦の菊池雄星(12奪三振)以来10人17度目。

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