◆第107回全国高校野球選手権愛知大会▽1回戦 高蔵寺10―3知立=7回コールド=(28日・豊田市運動公園)

 愛知では最速150キロを誇り世代NO1左腕の呼び声高い、高蔵寺の芹沢大地(3年)が7回2死二塁から5番手で救援。打者1人を空振り三振に抑え、チームは7回コールド発進した。

高校日本代表候補にも名を連ねる「公立の星」は、進路を社会人野球に絞り、プロ志望届は提出しない意向。最後の夏を完全燃焼する。

 コールド勝ちまで「あと1人」の場面で、ベンチからマウンドに走った。芹沢が投球練習で左腕を振るたびに、球場全体からどよめきが起きた。全てストレートで4球。この日の最速143キロで空振り三振に仕留め、試合終了だ。夏の始まりを粋な言葉で表現した。

 「僕のことを見に来てくれている人も多いって聞いていますし。投げる予定はなかったんですが、監督に言って投げさせてもらいました」。1週間前に腰痛を発症。治療で間に合わせ、志願の登板へたどり着いた。

 中学は部活の軟式。

だが、高蔵寺で体力強化と投球フォーム改善に取り組み、才能が開花。メジャーのスカウトが注目するほどになった。進路は「社会人に行きたい。(プロ志望届は)出す予定はないです」と明言。着実にステップアップする考えだ。「相手が私立だと、勝ちたい気持ちも強くなる。甲子園に出場できるようにしたい」と芹沢。次戦は強敵・名古屋たちばな。熱い夏は、まだまだ終わらせない。(加藤 弘士)

 ◆芹沢 大地(せりざわ・だいち)2008年3月23日、愛知・春日井市生まれ。17歳。不二小2年時にニュータウンジャガーズで野球を始め、高蔵寺中では部活の軟式野球でプレー。

高蔵寺では1年夏からベンチ入り。2年秋からエースナンバー。183センチ、72キロ。左投左打。好きな球団は中日。

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