◆米大リーグ ロイヤルズ9―5ドジャース(28日、米ミズーリ州カンザスシティー=カウフマンスタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(30)が28日(日本時間29日)、敵地・ロイヤルズ戦に「1番・投手兼DH」で先発出場し、投げてはMLBの公式戦では自己最速となる101・7マイル(約163・7キロ)をマーク。23年9月の右肘手術などから復帰後3度目の登板で初めて2回のマウンドにも上がり、2回27球で1安打無失点1奪三振と好投した。

打撃は4打数無安打で3戦連発はならず、今季5度目の1試合3三振を喫した。

 試合開始5分前の現地午後3時5分(同午前5時5分)までブルペンで準備していた大谷。マウンドに上がる前で、プレーボール直後の初回先頭の第1打席は3球で見逃し三振。復帰後初の2イニング目の投球を終えた直後、3回先頭の第2打席はベンチ前に用意されたイスに腰掛けて打席の準備を整え、小走りで向かう大谷ならではの光景が見られたが、空振り三振に倒れた。この日まで5戦4発の量産態勢で5年連続5度目のシーズン30本塁打に王手をかけていたが、打者としてはこの日は小休止。それでも、リアル二刀流で新たな衝撃を残した。

 試合後の一問一答は以下の通り。

―今日の投球

「そうですね。細かいところは別として、積極的にゾーンを攻められたのは良かったかなと思います」

―二刀流に慣れるまで時間かかりそうか

「今日はノーヒットでしたけど、単純に打撃のアプローチとしてはいい結果を生むアプローチではなかったのかなというところなので。バッティングとピッチング、それぞれ同じ日にやりますけど、基本的には分けて考えるので。ピッチングは良くて、バッティングは良くなかったなという一日だったなと思います」

―100マイルはリハビリの過程で想像していたか

「ライブBPで多分投げ続けていたら投げてはなかったのかなとは思うので、そういう意味では実戦で早めに、短いイニングでしたけど投げることによってそういう球速帯に慣れていくというのはいいことじゃないかなと思うので。そこも一つ今日良かったところかなとは思います」

―2度の右肘手術で投げる球が戻ってくるかという心配はあったか

「1回目よりやっぱり感覚は術後からすごい良かったので。

術式も多少違いますし、そういう意味では1回目よりだいぶ良かったので。ドクターとの話の中でも戻る確率は高いという話ではあったので、自信はありましたけど。球速帯だけではなくて、投げ方も含めてまだまだ改善の余地はあると思うので、これからかなとは思います」

―第2打席は万全の準備ができていたか

「そこまでピッチングをやってるからとか、さっきも言いましたけど、基本的には分けて考えるので。結果は悪かったですけど、基本的にはDHで1回1回代打みたいに出るよりは、マウンドからそのままの流れで行った方が自分の中ではナチュラルな感じはするかなと思います」

―ホームランダービー

「う~ん、どうですかね。現行のルールだとなかなか厳しいので、今のところチャンスはないかなと思います」

―縦のスライダー、セットの時とのプレートを踏む位置の使い分けについて

「その方が抑えられると思ったからです」

―リミットがあるように感じない

「どうですかね。あんまりまだ思い切り投げようとは思ってなかったですけど、やっぱりどうしてもランナーが二塁にいたりとかランナーがたまってくると、どうしても打たれたくないという気持ちの方が先行して上がってくるので。自然に上がってしまっているなという感じです」

―フォーシームの質

「回転効率も球速帯との比較が一番大事だと思うので。今日みたいに100マイル近く出ている中で浮力も悪くなかったですし、それなりのスピン効率はしていたと思うので。まだ全部はチェックしてないですけど、進歩はしてるのかなとは思ってます」

―打撃は昨日までひと振りで仕留めていた

「どうだろう。今日はコマンドが素晴らしかったと思いますし、相手の投手の。なかなか打線として粘り強くいけなかったなという印象かなと思うので。その中でも2―0のところですかね。

あそこのフライが入っていればまたちょっと違う展開になってたかなと思うので、あと少し、ちょっと押し切れなかったなという印象です」

―この2試合は縦のスライダーが有効

「良かったかなとは思いますね。球速も良かったですし、自分の投げたいイメージで変化も含めて、ロケーションも含めて落とせているかなとは思うので。そこは良かったんじゃないかなと思います」

―球速はまだ少し出る感覚があるのか、今日はどれぐらいの力で

「さっきも言いましたけど、出しにはもちろんいっていないので。ランナーがたまってきて、どうしても打たれたくないという気持ちになるとそれなりの球速帯で投げにいってしまっているという感じなので。今の段階でそこまで上げなくてもいいなと思う自分と、ゲームの中なので先制点をあげたくないなという自分とのバランスかなと思います」

編集部おすすめ