◆JERA セ・リーグ 巨人1―0DeNA(29日・東京ドーム)
プライドでねじ伏せた。ライデル・マルティネス投手(28)が力勝負で締めた。
「3連戦、勝てて良かった。接戦だったけど、回の最初のアウトを取ることにフォーカスして。結果、点を取られずに良かった」
1点リードの最終回。しびれる展開での出番で、ショーのように暗転する演出の中、登場した。まずは先頭から変化球3つで2死。その後、安打と盗塁で2死二塁とされるも最後は一転、真っ向勝負を選んだ。チーム5年ぶりの3戦連続完封勝利を完結させ、阿部監督も「(巨人に)来てくれてありがとうございましたって感じです」と最敬礼した。
中日時代の同僚・田島慎二に並びセ界の頂点に立った。来日当初の17年、竜の守護神を務めており「タジマさんは当然、いいチームメートとして覚えているよ」。今季、チーム74戦目にして防御率は0・00。「(昨季までと)特に違うことはない。とにかく毎日の練習に集中して取り組む」と胸を張った。
その中で東京D恒例の演出が活躍を下支えする。出番が来ると大型ビジョンに余裕の表情でイスに腰掛ける右腕の姿が映される。「ああやって映像を出してもらうのは当然モチベーションになる。ファンの方も一緒になって応援してくれる」。昨年末の入団決定から約2か月かけて制作された特別ムービーは、色味なども母国キューバをイメージ。昨季覇者に加わった守護神としてコンセプトは「王者の風格」に決まった。
制作担当者は「『全く打たれる気がしない。
平良(西武)の持つNPB記録、開幕から39戦連続0封も射程圏だが「記録については特に何も。セーブする機会があれば勝利に貢献する。それだけ」。個人より巨人。その精神であふれている。(堀内 啓太)
中日田島慎二2軍投手コーチ(昨季まで8年間、中日で同僚)「(育成入団で)日本に来た時のライデルを思い出すと、本当に考えられない。すごく驚いているし、ライデルが頑張っているのはうれしいです。