◆JERAセ・リーグ 中日1―2広島(29日・バンテリンドーム)
記念球を握った広島・佐藤柳は新井監督に促され、左翼席に向かって遠慮気味に帽子を振った。球団の新人では昨年の常広に続き、13人目となるプロ初登板初先発初勝利。
3回無死一、二塁では、松葉のバントを冷静に三塁封殺。被安打はこの回のみで、3回1死のプロ初打席で右前打も放った。「(打撃が得意な)床田さんにもらったバットのおかげ」と、背番号28を受け継いだ先輩のように投打で躍動。新井監督は「期待していたけど、期待のはるか上。ストライクゾーンで勝負できるようになった」とオープン戦からの成長を絶賛した。
開幕直前にローテ争いから脱落。2軍では「初球ストライク」にこだわり、この日も貫いた。37歳の会沢とのバッテリーでも「やってきたことを尊重してもらった。自分の考えが言えるようになった」と実感。2位を守ったチームに22年9月以来となるバンテリンDでの3連戦勝ち越しを運んだ。ウィニングボールは故郷・宮城から駆けつけた両親に贈るが「あまり一喜一憂しようと思わない」。