◆米大リーグ ロイヤルズ1―5ドジャース(29日、米ミズーリ州カンザスシティー=カウフマンスタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(30)が登板翌日となった29日(日本時間30日)、敵地・ロイヤルズ戦に「1番・DH」でフル出場したが、4打数無安打。2試合9打席連続で安打なしとなった。

この日でチームの6月の全日程が終了。21、23年に月間MVPに輝くなど得意の月だったが、今季は打率2割6分5厘、7本塁打、17打点、0盗塁に終わった。投手復帰もあった6月の大谷を、安藤宏太記者が「見た」。

 空振りでも敵地が沸いた。4点をリードした7回1死一塁。大谷が2球目の内角球をフルスイングすると、ファンがどよめいた。スイング後に腰付近を気にするしぐさを見せるほどの豪快な一振りだったが、この日の4打席で快音が響くことはなかった。2試合、9打席連続で安打なし。チームは勝ったが、主役の座は譲る形となった。

 6月の全日程が終了。21、23年には月間MVPに輝くなど毎年調子のピークとなる1か月だが、今季は7本塁打、打率2割6分5厘と“確変モード”に入ることはなかった。昨年“6月無双”の理由を「シーズンの中でいいところ、悪いところを改善しながらちょうどそういう(好調の)波が来やすいのかな」と話していた大谷。

今季は5月に15発で月間MVPに輝き、少し早く波が来たとも言えるが、23年4月以降毎月マークしていた盗塁も企図すらなかった。

 6月に調子に乗れなかったのは、投手復帰も少なからず影響しているはずだ。16日のパドレス戦で663日ぶりに登板して以降、これまで3度先発マウンドに立った。登板日に打席に立つことは「マウンドからそのままの流れで行った方が自分の中ではナチュラルな感じ」。28日の敵地・ロイヤルズ戦は4打数無安打だったが、22日の本拠地・ナショナルズ戦では2ラン、3点適時三塁打を放つなど、登板日は、いつもより打席で気合がみなぎっているようにさえ見える。今後も登板日に打席に立つことは間違いなく続くだろう。

 一方で心配なのは登板翌日だ。22日のナショナルズ戦翌日は試合がなかったが、ほか2度の登板翌日の試合は計8打数0安打で5三振。登板翌日は試合前にキャッチボールを行わず体のチェックや治療などにあてるが、疲労があるのは間違いない。

 “抜け道”もある。先発として徐々にイニングも延びるだろう後半戦は約10週間あるが、木曜日は8月1試合、9月3試合の計4試合しかない。翌日が休みの毎週水曜日に投げれば、疲労が残ったまま打席に立つ機会も減るはずだ。

 試合後はコーラの瓶を持って同僚と笑顔で話すなど、疲労感は見せなかった。23年までの二刀流のリズムを取り戻すことが今後の鍵になりそうだ。(安藤 宏太)

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