◆サッカー東アジアE―1選手権 日本2―0中国(12日・韓国)
東京VのDF綱島悠斗が代表デビューを飾り、フル出場で勝利に貢献した。東京V所属選手の代表出場は2008年の親善試合に出場したFW大黒将志(現川崎コーチ)以来、実に17年ぶりとなった。
* * *
東京V下部組織出身の綱島が、クラブの新たな歴史の一ページを刻んだ。3バックの右で先発し“攻撃的センターバック”として堂々プレー。随所に縦パスを差し込み、守備でも隙を見せなかった。
17年ぶりに、東京V所属の選手が日本代表のピッチに立った。代表選出自体は2019年南米選手権のMF渡辺皓太(現横浜FM)以来だったが、出場は08年の大黒氏までさかのぼる。
クラブの代表取締役副社長で、2015~24年まで明大の監督を務めた栗田大輔氏は「ものすごくうれしいですね。クラブとしては本当に喜ばしいことです」と語る。「一方で選手の価値が上がるということは、クラブとして心配もありますけど…」と“引き抜き”の懸念に苦笑いを浮かべながらも、綱島のA代表デビューを誇った。
明大監督時代も、選手が世代別の代表に選ばれることで、チームの「基準」が上がる実感があったという。代表で刺激を受けてクラブに戻った選手が、チームにもたらすポジティブ要素は多い。
「『俺の方ができるじゃん』って思う選手もいると思う。『あれで入れるなら俺も入れるな』とか」。
かつては、ヴェルディ勢が代表の中心だった時代もあった。「歴史上、ヴェルディは代表選手を輩出する存在じゃないといけないクラブだったと思います。そういう選手が出てきたことは自信になりますよね。日頃の現場、スタッフ、強化部の皆さんの努力のたまものだと思っています」。綱島の代表デビューは、再昇格から2年目のシーズンを戦うクラブに大きな意味をもたらすことになりそうだ。(岡島 智哉)