◆サッカー東アジアE―1選手権 日本代表2―0中国代表(12日、韓国・龍仁ミル・スタジアム)

 【龍仁(韓国)12日=後藤亮太】FIFAランク17位の森保ジャパンが、同94位の中国代表に2―0で下し2連勝を飾った。4大会連続W杯出場中で今大会の主将、DF長友佑都(38)が3バックの左で22年12月5日のカタールW杯決勝トーナメント1回戦クロアチア戦以来、950日ぶりに代表のピッチに先発で帰還。

38歳303日で出場となり、MFラモス瑠偉を上回る日本代表の歴代年長3位、93年のJ開幕以降フィールドプレーヤーでは最年長出場記録。日本は連覇をかけて、15日に韓国代表と対戦する。

 日の丸を背負う誇り、重みを誰よりも知る長友が、待ち焦がれてきた舞台に戻ってきた。950日ぶりの出場で90分間戦い抜き、無失点勝利に貢献。「やっぱり代表のユニホームを着て、日本を背負えることはうれしい」と興奮冷めやらぬ表情で振り返った。

 不慣れな3バックの左で先発も、主将マークを巻いた鉄人は強かった。「今日ダメなら終わりだなという気持ちで臨んでいた」。その覚悟はプレーに伝わり、空中戦を制し、球足鋭くボールをカットし、ゴール前でシュートブロックも見せた。

 「苦しすぎた」期間を乗り越え、ようやく出番が巡ってきた。24年3月に代表復帰して以降、活動には招集されたがW杯アジア最終予選では全10試合ベンチ外。試合前日に森保監督にベンチ外を告げられるたび、悔しさを味わってきた。それでも、不屈の男は指揮官に毎回伝えた。

「絶対に選んでもらう自分を見せる。証明してみます」。日本人初の5大会連続W杯出場へ立ち止まるわけにはいかなかった。

 だからこそ今大会をラストチャンスと位置づけた。「緊張感はめちゃめちゃあった。アドレナリンが出過ぎて寝付きが悪かった。そのくらい懸けていた」。ラモス瑠偉を上回る歴代年長3位の38歳303日での代表143試合目は特別な一戦となった。

 試合後、森保一監督(56)も「本当にたくさんのものをもたらしてくれた」と評価。まだまだ満足感はないが、長友は「“もう長友は終わりだ”と皆さん思っていたかもしれないけど、僕はひたすら自分のことを信じてやってきた。全然まだまだですけど、もっと皆さんを驚かせるようなプレーができるように、次、韓国戦があるので引き締めて頑張ります」。約1年後のW杯に向けたアピールの場で、帰ってきた背番号5が躍動した。

(後藤 亮太)

 ◆長友の代表での前回出場 2022年12月5日、カタールW杯での決勝トーナメント1回戦・クロアチア戦。左ウィングバックで先発出場し、後半19分にMF三笘薫と交代。試合は1―1で、延長戦を含めた120分間で決着がつかず、PK戦の末、1―3で敗れ、またしても8強の壁を超えられなかった。

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