◆天皇杯3回戦 川崎0―0(PK1―3)相模原(16日・U等々力)

 川崎のFW山田新(25)のスコットランド1部・セルティックへの移籍が決定的となっていることが16日、関係者の話で分かった。身体検査後に正式に契約を結ぶ。

移籍金は推定150万ポンド(約3億円)という。同日、海外移籍を前提に川崎からの離脱が発表された。

 山田は天皇杯・相模原戦後に報道陣の取材に応じた。この試合はベンチ入りしなかった。川崎の育成組織から桐蔭横浜大を経て23年に川崎へ加入。昨季J1で日本人最多に並ぶ19得点をマークし、優勝したE―1選手権(韓国)で日本代表に初選出され、デビューを果たした。

 サポーターへのあいさつ後、山田は「試合も試合だったので、複雑な感情だった。(決断に至った理由は)フロンターレに入る時点で海外に行きたいという思いはあった。自分の目標であるW杯に出場したい。(海外移籍の)決断がなければ、そこ(W杯出場)に近づけないと思った。行くことに対しては迷いはなかった」と語った。

 E―1では第1戦の香港戦に出場も、無得点。

「足りない部分、必要になる部分も感じた。代表のサッカーの中でできたというところは、すごく大きかった」と有意義なものだったと強調した。移籍にあたっては、川崎出身の海外組の先輩にも相談したといい、「今後の自分のプランを言った上で、覚悟の面だったり、食事などのアドバイスをもらった」と明かした。

 大卒でトップでは2年半プレー。25歳で海外挑戦というタイミングについては「冬まで(移籍を)伸ばしたら、いけるタイミングがなくなるというのを感じていた。年齢を追うごとにそういう話も聞きづらくなると思う。自分は環境を変えることで成長できてきた自覚があるので、そこの環境を変えたいという部分でも決断に至った」と心境を語った。

 川崎サポーターへの別れのあいさつについては「自分で決断したことだけど、このクラブの温かみだったり、2年半いて、これが当たり前になっていたので、すごく寂しい思いと、まだここが最後って実感はわいていないけど、すごく温かさを感じた」としみじみと話した。

 これまでを「サッカー人生の中で、悔しい思いしか残っていない。もちろんうれしいことも残るけど、それ(悔しさ)がすごく力になり、原動力になっていると思う。悔しいことが多かったが、それ自体を楽しめているかなと思う」と振り返った。

 今後、新天地に向け「具体的な数字(の目標)は(まだ)ないけど、得点以外のクオリティーも上げないといけない。

ゴール(を取ること)の努力が一番だが、(その他の)クオリティーも上げていきたい」とさらなる成長を見据え、言葉に力を込めた。

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