◇J2第23節 磐田5-1札幌(12日・ヤマハスタジアム)

 J2北海道コンサドーレ札幌は4日間のオフを終え、17日から宮の沢で練習を再開する。前節12日のアウェー・磐田戦は今季最多失点で1―5の敗戦。

勝ち点31の11位と、プレーオフ圏の6位・徳島とは勝ち点7差をつけられている。磐田戦の敗因を含め、残り15試合での巻き返しの可能性を、札幌OBで元日本代表FWの吉原宏太氏(47)が「宏太’sチェック」でひもとく。

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 完敗した磐田戦は、3連勝していた勢いのまま行った感じで、練っていたとは思うが対策が甘かった。シュート数やボール支配率はほぼ互角で、CKは9対2と多かったにもかかわらず、ああいう結果となったのはDFラインが曖昧で、ボール保持者に対してのプレッシャーが緩かったから。両ボランチの脇を使われ、バイタルエリアで簡単にターンを許していては、決定的な仕事をされるのは当然だ。

 開始2分に近藤が決定的な場面でゴール右にシュートを外した。左からDFが来ていたのだから右にボールを置くべきだったが、中に置いてしまったため、打つのを難しくした。決まれば違う展開になっていたかもしれないが、あれが入らないのが11位に低迷している現状を証明しているのかなと。チャンスをつくるのはプロとして当たり前のこと。しっかりと決めて勝利をもたらすということに、こだわりをもってやっていかないといけない。

 個人的には今の4バックから3バックに変更した方がいいと思っている。4バックの利点はギャップをつくらず、守備を安定させること。

しかし今の札幌はギャップを使われる場面が多すぎる。前からのプレスを徹底し、サイドの守備能力を上げないと、ボールの出どころを限定できず、同じことを繰り返してしまう。宮と浦上が入った今、3枚にしてハードワークすれば点は取れる。そこから状況によって4枚気味に可変させるなどした方が安定してくる。

 残り15試合、ここからは我慢比べ。上位とも当たっていく中で、磐田戦のようにただ人に行くだけのDFをしていたら、簡単にはがされてやられてしまう。安易に攻めて行くも決め切れず、守備のパワーがなくなっていくという負の流れは断ち切らないと。単発で勝った負けたじゃなく、こういうチームになってきたなというものが見える戦いをするためにも、次の8月2日鳥栖戦までしっかり準備してほしい。(吉原 宏太、1996~99年札幌FW)

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