4位の鹿島は18日、勝ち点3差で追う首位の柏をホームに迎えるJ1第24節(メルスタ)に向け、鹿嶋市内で非公開練習を行った。
* * *
チームが新たに導入した新戦術「キックオフ&ラッシュ」について、鬼木達監督が採用の背景と理由を明かした。
「キックオフ&ラッシュ」はクラブW杯で欧州王者パリSGが披露したもの。キックオフ時にボールを自陣に下げず、タッチラインの奥深くめがけて大きくボールを蹴り出す。敵陣深くでの相手のスローインから、試合が再開されることになる。
ここで選手たちは「ラッシュ」をかけて敵陣に入り込み、ボールを奪いにいく。前から守備にいく意識付けを徹底することにもつながる。
発祥はパリSGではなく別のクラブとされるが、クラブW杯の舞台でパリSGが取り入れたことで、世界に知られることとなった。
クラブW杯を見ていた鬼木監督自ら導入を決め、6月28日の岡山戦で初披露となった。指揮官は「あれだけボールを大事にしようとするチームが、一発目に相手にボールを渡して、全員でエネルギーを持って守備をする気迫を見た時に、すごく大事な部分だと感じた」という。
導入に際して、選手たちには「(立ち上がりから)姿勢を示したい。世界一ボールを大事にしているチームが、こうやって守備から入ることをやっているんだ」と伝えたことを明かした。「毎回やると、慣れてしまうので」とも語り、試合展開やチーム状況、タイミングを見極めながらの実行となりそうだが、世界のトレンドを取り入れた新戦術は、戦い方の幅を広げることになりそうだ。