日本サッカー協会(JFA)が、アジア地域の複数の国との共催で2046年W杯の招致計画を進める中、国立競技場(東京・新宿区)での決勝戦開催を目指していることが18日、明らかになった。自国開催と国内での決勝開催が実現すれば、ともに02年日韓大会以来、44年ぶり。
46年のW杯招致に動き出すJFAが、聖地・国立を決勝会場とする招致案を検討していることが分かった。東京五輪(開催は21年)を見据えて、19年11月に完成した国立競技場の観客席は6万7750席で、W杯決勝開催にはFIFAが定める8万人収容を満たす必要がある。JFA関係者によれば、可動式観客席を設置することで8万人の基準をクリアできる見込みだという。
現状で可動席はないが、国立競技場を運営するジャパンナショナルスタジアム・エンターテイメントの広報担当者は、スポーツ報知の取材に「8万席に対応するプラン、図面や設置案は存在する」と話した。具体化は状況次第になりそうだが、招致活動と並行し、可動式席設置の計画が進む可能性もある。
02年日韓W杯は開幕戦を韓国・ソウルで行い、決勝戦(ドイツ―ブラジル戦)を横浜国際総合競技場(現・日産スタジアム)で開催した。日本サッカーの聖地が世界一を決める舞台となれば、日本サッカー界全体の夢であり、悲願でもある。
JFAが所属する東アジア連盟と東南アジア連盟は3月末、都内で行った会議で、両連盟協働で招致計画が話し合われ、日本、中国、韓国を含む東アジアと、インドネシア、タイ、マレーシアなど東南アジア諸国との共催でW杯招致を目指すことが確認された。招致に成功した場合、決勝会場の“争奪戦”は必至だが、日本は国立を主張していく可能性が高い。
◆W杯のスタジアム規定 現時点で、4万人以上を収容できる会場が最低でも14か所以上必要。その上で、準決勝で使用する6万人以上のスタジアムが2か所、開幕戦と決勝で使用する8万人以上の収容人数が求められる。
◆日本の可動式観客席 東京Dは、1万2669席の可動席を導入。座席を用途によって収納することで、野球の試合だけでなく、ライブなどでも利用されている。02年日韓W杯の会場でもある札幌D(現・大和ハウスプレミストD)は、一部の座席を旋回させることで、サッカーだけでなく野球の試合も実施が可能。