結成16年以上の漫才師が競うお笑い賞レース「THE SECOND~漫才トーナメント」で5月に優勝したお笑いコンビ「ツートライブ」の周平魂(41)とたかのり(41)。漫才ツアー「闊歩旅」では念願のなんばグランド花月(NGK)単独公演を予定している2人が、改めて夢を語った。
「おやじがTHE SECONDのTシャツ着てスーパーとか行ってるらしいんですよ」と、たかのりはうれしそうに笑う。周平魂の5歳の息子は、今年の七夕の短冊に「漫才師になりたい」と書いていたという。「18年かかるんやぞ、ここまで来るのに」。結成18年。優勝して、見える景色が変わった。
「暗闇過ぎた」という時期を越えた。芸人人生でもっとも苦しかったのは2015年あたり。毎月単独ライブをやっていたが、客は40~50人しか入らなかった。「苦しかったですね。漫才を作るのをやめたら、もうおしまいやろなって」(周平魂)。
ツートライブの希望をつないだのは、19年のミルクボーイのM―1優勝だった。ともに大阪で支え合ってきた仲間の優勝。
そして、今年つかんだ優勝。「仕事量は4倍になった。優勝してから休みはない」とうれしい忙しさのさなかにいる。
19日から始まっているツートライブ漫才ツアー「闊歩旅」。12月25日のツアー最終日にはNGKでの追加公演が決まった。夢にまで見たNGKでの単独だ。「NGKでは満を持してやりたいと思ってた。だけど、全然満を持さなくて…やっときた機会。2人でNGKを埋めるなんてこと、優勝しなかったら一生ないチャンスだったと思う」とたかのり。周平魂も「震えますね。絶対これを大成功させて、年に1回NGKで単独やれるようにしたい」と鼻息荒く意気込む。
優勝し、「またスタートラインに立った感覚」と口をそろえる2人。周平魂は「有名な漫才師になりたい」と夢を語る。「まだまだですね。僕らの漫才は年を取れば取るほど面白くなる感じもする」とたかのり。漫才を愛する2人は、これからも実直に漫才街道を闊歩(かっぽ)する。
◆ツートライブ 兵庫県立大で出会った、たかのりと周平魂が在学中にM―1グランプリに出場したことをきっかけに、2008年に結成。NSC大阪校30期。17年「第38回ABCお笑いグランプリ」決勝進出。19、22、23年、「上方漫才協会大賞」文芸部門賞受賞。24年、「上方漫才協会大賞」文芸部門名誉賞受賞。25年、「THE SECOND~漫才トーナメント~2025」優勝。