◆大相撲 ▽名古屋場所12日目(24日、IGアリーナ)
東前頭15枚目・琴勝峰が小結・高安をはたき込み、2敗で首位タイを守った。初優勝に向け、13日目は結びで新横綱・大の里戦が組まれた。
2敗を守った琴勝峰は「フゥーー」と大きく息を吐いた。今場所初の幕内後半戦での一番。高安の強烈なかち上げに後退しかけたが、踏みとどまった。「体が勝手に動いた感じ」。すかさず右へ動きながらのいなしで、相手を土俵下へはたき込んだ。23年初場所以来の幕内での2桁勝利も「内容が全然ダメなので、反省しないといけない」と、支度部屋では言葉少なめ。トップタイで先頭を走る優勝争いについては「まだ3番あるので、どうなるかはわからない」と気を引き締めた。
今場所は弟の琴栄峰が新入幕を果たし、番付は2枚差まで迫られた。師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇・琴ノ若)は「弟が上がってきて『負けたくない、越えられたくない』という気持ちが強いのだと思う」と、対抗心が芽生えていることを指摘。
また今場所の仕切り前には元大関・琴奨菊(現秀ノ山親方)の代名詞でもあった背中を反り返す「琴バウアー」のような動きを取り入れている。「取組前に体が整う感じ」と新ルーチンの効果を実感。「秀ノ山親方と比べれば全然。まだ顔ではない。少しでも番付で追いつけたら」と、部屋の大先輩の背中を追いかける。
23年初場所の千秋楽では当時の大関・貴景勝(現湊川親方)と優勝を懸け、敗れながらも相星決戦を闘った経験もある。八角理事長(元横綱・北勝海)は「琴勝峰は落ち着いていた。優勝争いの経験もあって、自信を取り戻したのではないか」と評価。13日目は3敗の横綱・大の里に挑戦する。