NHKの稲葉延雄会長が30日、同局での7月定例会見で、フジテレビの一連の問題を巡る検証番組について言及した。
稲葉会長は6日放送の番組を視聴したことを明かし「個別の問題が出てくる、共通の要素といったものが、放送業界の慣行というか業務プロセスの中に存在するのではないか、という問題意識を強く持った」と感想を語った。
また、放送業界の構造として「出演者、取材先、取引先と職員との適切な関係性をきちんと維持することがない限り、性加害も含めて問題はなくならない」と指摘。適切な関係を保つことも含め「人権意識の徹底はもとより、構造的な問題があればNHKが率先して改善し、放送業界全体の健全化に貢献できればと思う」と話した。
フジテレビは今月6日、人権、コンプライアンス問題に関する検証番組「検証 フジテレビ問題 ~反省と再生・改革~」を1時間45分にわたり放送した。元タレント・中居正広氏の性暴力に端を発する問題だけでなく、経営幹部による不適切会合の実態などについても検証した。