陸上女子100メートル障害で昨年のパリ五輪代表・田中佑美(富士通)が31日、茨城県内で練習を公開。ハードルを使った動き作りやウエートトレーニングなどで、約1時間汗を流した。

 今シーズンの大一番、東京世界陸上(9月13日開幕)は約1か月半後に迫る。今月初旬の日本選手権で初優勝し、2大会連続の代表入りへ前進。「開催が近づくにつれて、知り合いの方々が『チケットを買ったよ』って言ってくださったり、興味を持ってくれていると感じます。しっかりと自分が頑張っている姿を皆様に見てほしい」と笑顔で決意した。

 日本選手権後は、新しい取り組みとしてカヌーに初挑戦。骨盤周りを立体的に動かすことなどが狙いで、「(練習の)後半は実際に乗せてもらいましたが、すぐ転覆して、コケまみれになりました」と苦笑い。その後の山梨合宿などを通して、新しい技術を走りに落とし込んでいるという。

 次戦はAthlete Night Games in FUKUI(8月15、16日、福井運動公園陸上競技場)を予定しており、世陸の参加標準記録(12秒73)が一つのターゲット。「今自分にできることは、できるだけ良いコンディションに持って行くこと。やることは変わらず、自分のパフォーマンスをより良いものにしていきたい」。着実に準備を進め、9月の大舞台を万全の状態で迎える。

 ◇田中 佑美(たなか・ゆみ)1998年12月15日、大阪市生まれ。

26歳。関大第一中から陸上を始め、関大第一高では15、16年に全国高校総体2連覇。立命大に進み、19年日本インカレ優勝。21年富士通入社。23年4月に12秒97をマークし、同年夏のブダペスト世界陸上は予選敗退。同10月のアジア大会銅メダル。24年パリ五輪は敗者復活戦の末に準決勝に進んだ。同年、男子110メートル障害で22年オレゴン世界陸上代表の石川周平(富士通)と結婚した。

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