歌舞伎俳優の市川團十郎が1日、大阪市内で「市川團十郎特別公演」(10月10日~26日、京都・南座)の取材会に出席した。
團十郎は、現在大ヒット公開中の映画「国宝」を挙げ「今歌舞伎は注目されているところ。
昼の部では「三升先代萩(みますせんだいはぎ)」を。夜の部では「Invitation to KABUKI」として歌舞伎の世界が楽しめる「二人藤娘(ににんふじむすめ)」「ご挨拶」「菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)車引」「荒事絵姿化粧鑑(はなのえすがたけわいかがみ)」を上演する。夜の部では、「暫(しばらく)」のこしらえを舞台上で披露する演出もあり「衣装がだいたい60キロぐらい重さがある。興味のある人に舞台の上に上がってもらって、衣装を着てもらいたい。ちょっと体験してもらいながら、歌舞伎のいろはを楽しんでもらいたい」と趣向をこらす。
「三升先代萩」では七役早替わりで楽しませる。この演目についても「古典と新作の中間地点を目指し、古典を知っている人も立体的に感じられるような古典にしたい」と意欲を語った。今歌舞伎界が盛り上がっているからこそ、見てもらう1回にかける強い思いを明かした團十郎。「1回だけ見た時に楽しかったのか、楽しくなかったのかってすごく重要。なるべくそのときに楽しいものを提供したいというふうに思うのが私の立場」と表情を引き締めた。