◆明治安田J2第24節 札幌1―0鳥栖(2日、プレド)

 北海道コンサドーレ札幌がホーム・鳥栖戦で2試合ぶりの白星を手にした。後半32分、途中出場のMF荒野拓馬(32)が相手GKのこぼれ球をたたき込み、今季初得点が決勝点となり、1―0で勝利した。

4バックから3バックへの変更だけでなく、この日に3―5―2から3―4―3へシステムを変えた岩政大樹監督(43)の采配も奏功。3週間の中断期間中に掲げた「8月の5試合で5連勝」の目標達成へ、好スタートを切った。

 日々の積み重ねが最高の形となった。0―0の後半32分、荒野がゴール前に上がって行った。田中宏の左クロスに相手GKが前に出たが捕球し切れず、ボールが目の前に転がってきた。「一瞬『あっ』となったけどDFもいたので。ぶち込む気持ちで振り抜いた」。ライナーの弾道がネットを揺らすと、エンブレムを何度もたたきながら駆け出した。今季初得点が決勝点となり「ラッキーでした」と笑いながら「チームを勝たせるゴールが取れて良かった」とうなずいた。

 プロ14年目の今季、順調な道のりではなかった。開幕スタメンは勝ち取るも、第2節以降は出場なしの試合が続いた。昨季までの主力がこの試合の前まで、リーグ戦23試合中11試合の出場にとどまり、先発は8度。

この日も控えスタートだったが、出場から8分後に結果を出した。お立ち台で「もう夏場なのに温めすぎた」と口にしたほど不完全燃焼が続いていたが、前向きさは失わなかった。

 32歳となった今年、私生活から見直した。4月から専属シェフを付け、「今までは毎日外食。試合前の食事も唐揚げだけだったりした」と振り返る食生活から見直した。夜も体のケアに時間を割き、休日前の酒量もめっきり減った。「色々気遣わなきゃいけない年齢になったので」。よりよいパフォーマンスを見せるための取り組みが、生きた。

 中断期間中に「8月の5試合で5連勝」とチーム目標を立てた。「その1試合目に勝てたことは良かった」と荒野。「まだまだ厳しい試合が続く。最後、体を投げ出して戦うところを見せていきたい」。

喜びに浸ることなく、次戦9日の長崎戦以降の戦いに、視線を向けた。(砂田 秀人)

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