俳優の西島秀俊が5日、7月に閉館した東京・中央区「丸の内TOEI」内で主演映画「Dear Stranger/ディア・ストレンジャー」(9月12日公開、真利子哲也監督)の完成報告会見を行った。

 台湾を代表する女優のグイ・ルンメイと西島が初共演し、夫婦役を演じる。

ニューヨークで暮らす賢治(西島)と、台湾系米国人の妻・ジェーン(ルンメイ)の息子が誘拐され、夫婦間の秘密が浮き彫りになるヒューマンサスペンス。日本、台湾、米国の合作で、撮影は昨年11~12月に全編、米ニューヨークで行われた。

 映画の舞台ともなる廃虚をモチーフとしたセットが置かれた丸の内TOEIの舞台に登壇した西島は「力強い作品が完成しました。映画の撮影を通して自分自身も問題に向き合ってみたいと思った」と報告。映画については「見終わった後、爽快感があった」と感想を述べた。

 真利子監督はオファー理由について、「好きな俳優だった」と明かし、「追い込まれてぼろぼろになるのが似合う」と評した。

 西島はルンメイについて、「ルンメイさんはすばらしい俳優さん。すべてを作品に投げ出す方。休みの日も役に集中されていた。本番ではこんんなにナチュラルに演技をされる方がいるんだと驚いた」と語り、「改めて僕自身、どういう俳優が理想だったのか見つめ直す機会をいただいた」と尊敬のまなざしを向けた。

 対するルンメイは西島の印象について「西島さんのファンの一人です。西島さんは見た目は落ち着いてるのですが心の中に無尽のはエネルギーを持っているのではと思った。

(共演は)幸せなものでした」と話し、ほほえんだ。

 持ち前の語学力を生かし、せりふの9割が英語という難役に挑んだ西島は「ナチュラルなルンメイさんのおかげで、(役の)内面に集中してその後に言語がついてきた。目の前にルンメイさんがいたことが僕にとっては大きな差支えでした」と言語の部分でも大きかったというルンメイの存在について触れた。

 そして、海外作品への出演も続いている西島。海外作品や他国との合同の撮影となった同作について自身にとっての意味を問われると、「挑戦しがいのある、そして豊かな時間を過ごせる場」と答えた。

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