俳優の竹野内豊が5日、大阪市内で主演映画「雪風 YUKIKAZE」(山田敏久監督、15日公開)の舞台あいさつ付き先行上映会に奥平大兼、田中麗奈と出席した。

 太平洋戦争中に活躍した駆逐艦「雪風」の史実を背景に、戦場だった海の上で懸命に戦った兵士たちとその家族の物語。

艦長役を演じた竹野内は、自身の役柄について「自国を守る駆逐艦の艦長たる重責は想像を絶するもの。乗組員を演じられたキャストの皆さんの姿を見た時にとても刺激になりましたし、気づくと艦長にさせていただけたなという印象でしたね」と撮影を振り返った。また作品全体に「武士道」が描かれていると感じたことを明かし「どんなことがあろうとも勇敢に戦う軍人を美徳とせず、必ず生きて帰る、生きて返す、命をつなげていく。そこに物語の最大のテーマがあって、非常に感銘を受けました」と静かに語った。

 今年は戦後80年の節目。若い水兵を演じた奥平は「僕らと同い年ぐらいの子たちは、やっぱり戦争のことについて知らないことが多いんじゃないかなと思うんですね。今生きている僕たちが、ちゃんと大人になった時に伝えていくことが大切なんだなっていうふうに思いました」と、改めて戦争について学ぶ機会の大切さについて思いをはせた。艦長の妻を演じた田中は「家族一緒にいる時に、やっぱりホッとできるような、そういう空気が感じられるようなシーンになればいいなと思って演じました」と妻の視点から作品をアピールした。

 先行上映は広島、福岡、名古屋に続く4か所目。大阪の印象について竹野内は「元気」と一言で表現し、さらに「たこ焼きはまろやかで優しい」と食レポを披露した。奥平はお笑いのイメージと言い「小さい頃から吉本新喜劇をテレビでずっと見ていて、小さい頃はマネしていたんですけど、生でめっちゃ見てみたい。なんばグランド花月にぜひ行ってみたい」と前のめり。

田中もお笑いのイメージがあるそうで「私は(なんばグランド花月に)行きましたよ。実際に見ると、お客さんの笑うタイミングや迫力も感じられたので、やっぱり生の圧がすごいなと思いました」と笑わせた。

 最後に竹野内は「生涯をかけて平和を伝えてきてくださった方々から、今度は私たちがこのバトンをこの80年というタイミングで受けている。当時を生きた人々の心情を、映画で皆さんと一緒に体感することによって、より皆さんの心の奥深くに記憶として残るといいなと思っております」と呼びかけた。

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