◆天皇杯 ▽ラウンド16 神戸2―1東洋大(6日・ノエスタ)

 7試合が行われ、初出場の東洋大(アマチュアシード)は前回大会覇者のJ1神戸に延長戦の末、1―2で惜敗。前半36分にMF湯之前匡央(21)が同点弾を決めるなど大善戦も、延長後半終了間際に日本代表FW宮代大聖(25)の決勝弾に屈し、大学勢5大会ぶりの8強入りを逃した。

 120分を超える激闘も、歴史的大金星にはあと一歩及ばなかった。東洋大は延長後半アディショナルタイム(AT)に決勝点を喫した。DF山之内佑成主将(21)は「もしかしたら(また金星が)あるかなと思ったけどダメだった」と唇をかんだ。ピッチに倒れ込み、涙を流したGK磐井稜真(20)は「自分のミスで試合を終わらせてしまった」と悔やんだが、大歓声と拍手はピッチを離れるまで響き続けた。

 鉄紺色の不屈の精神を見せた。1点を追う前半36分。来年からJ1柏入団が内定している山之内の左クロスを、ペナルティーエリア中央にいたMF湯之前が左足で突き刺す豪快な同点弾。3回戦・新潟戦で決勝点を決めた背番号10が再び期待に応えた。2回戦・柏戦(2〇0、延長)、続く新潟戦(2〇1)と大学生がJ1勢に2連勝したのは、第105回を迎えた大会で初の快挙だった。

 関東大学1部リーグで優勝経験はないが、昨年の全日本大学選手権で初優勝。天皇杯での「下克上」は幕を閉じた。J13連覇を狙う神戸を相手にPK戦突入目前まで粘った。

井上卓也監督(58)は「残念です。でも、神戸相手に残念という戦いをしたチームは誇らしい」とたたえた。東洋大イレブンは涙を拭い、顔を上げた。(森脇 瑠香)

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