俳優の仲野太賀が8日、都内で行われたNHKスペシャルドラマ「シミュレーション~昭和16年夏の敗戦~」(16・17日、後9時)の記者会見に出席した。
元東京都知事で、現在は日本維新の会の参院幹事長を務める作家・猪瀬直樹氏の代表作「昭和16年夏の敗戦」(中央公論新社)が原案。
仲野は、総力戦研究所の模擬内閣で内閣書記官長兼情報局総裁の樺島茂雄を演じる。実在した総力戦研究所について「戦争が始まる前に日本がアメリカに負ける結果が分かっていた事実が、現代に生きる自分はとってもショッキングでした」と素直な感想を話した。
同作では、父・中野英雄と共演した。「共演するって聞いた時に『まじか~』と思いました。なかなか縁がなかったので」と照れ笑い。2006年に芸能界入りしてから今まで共演NGではなかったが、「『せっかく共演するなら納得できる形がいいよね』という話はぼんやりしていて、この作品でかなったことがうれしいです」と語った。
石井監督の映画「愛にイナズマ」(23年)でも共演したが、今回は初めて同じシーンの撮影があった。「同じ空間で共存するのが初めてだったので、不思議な感覚になりました。いざ撮影の日になって、それぞれの席に座ったら、まさに真っ正面で僕と父が配置され、誰かのいたずらかなって思いました。個人的には非常にうれしかったです」と笑って振り返った。
撮影前日、人生で初めて父と2人で酒を飲みに行ったという。「こんなタイミングで心の通わせがあるとは思わず…何を話したかは酔っ払って覚えていませんが、ただただ楽しかったです」と感慨深げだった。