「将棋日本シリーズ JTプロ公式戦」(以下、JT杯)二回戦第一局・静岡大会の前日記者会見が8日、ホテルグランヒルズ静岡で行われ、藤井聡太名人=竜王、王位、王座、棋王、王将、棋聖=が意気込みを語った。

 藤井名人はシードのため、二回戦からの登場。

対戦相手の佐々木勇気八段には8年前、デビューからの連勝を「29」で止められている。因縁の相手と注目の対局ということもあり、急きょ記者会見がセッティングされた。くしくも佐々木は7日に、藤井がタイトルを持つ竜王戦七番勝負の挑戦権を2年連続で獲得したばかり。藤井は「(佐々木は)挑戦権も取られて、今は充実しているのかなと思います。10月に対局はしますが、まずは明日。全力を尽くして、その後に竜王戦への準備をしたいですね」と目の前の勝負に集中している様子だった。

 JT杯は持ち時間が10分。同じく早指しで行われる昨年9月の銀河戦では、藤井が勝利を収めている。藤井は「(佐々木は)早指しでは勢いのある手を指してくる印象です。そのあたりを意識しながら臨みたい」と対策を口にした。9日は公開対局で行われることから、静岡県内のファンが大勢詰めかけることが予想される。「多くの方々に見ていただける機会。

期待に応えられるようにしたい」と3度目のJT杯優勝へ、好発進を誓った。

 佐々木八段(JT杯は初出場)「何百人、何千人の前で指すことはないので公開対局は不安でしたが、一回戦は集中して指せました。でも(対戦相手の)羽生九段が投了された時、ため息が聞こえたのは公開対局ならではですね(笑い)。藤井さんはもともと強いですが、最近はさらに安定した成績を残している。調子がいいのかな、と思います」

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