2日のプロボクシング東洋太平洋タイトルマッチ後に急性硬膜下血腫で緊急手術を受け、8日夜に都内の病院で亡くなった日本スーパーフェザー級(58・9キロ以下)5位の神足(こうたり)茂利さん(享年28)=M・T=に対し、ボクシング関係者から悲しみの声が寄せられている。元世界2階級制覇王者の京口紘人さんは自身のSNSに「ご冥福(めいふく)をお祈りするとともに、ご遺族の皆様に心よりお悔やみ申し上げます」と投稿。

ロンドン五輪銅メダリストで元東洋太平洋、WBOアジアパシフィック・フェザー級王者の清水聡(大橋)は「本当に残念でなりません。心より御冥福をお祈り致します」などと悼んだ。

 世界中からも哀悼の言葉が寄せられており、世界主要4団体の一つ、WBCのマウリシオ・スライマン会長は自身のSNSに「逝去に際し、深くお悔やみ申し上げます。リング上での事故で、我々は皆、ボクシングをより安全にする方法を研究し、予防プログラムを実施するために努力を続けなければならない。彼のご家族と日本のボクシング関係者に対し、心からお悔やみを申し上げます」などと投稿した。

 WBOも「安らかに眠ってください、神足茂利さん。ボクシング界は8月2日のタイトル戦で負ったケガにより亡くなった日本人ファイター、神足茂利さんの悲劇的な逝去を悼みます」とSNSで表明。「リングの戦士、魂のファイターはあまりにも早く逝ってしまった。彼の家族、チーム、そして日本のボクシングコミュニティー全体に心からの思いと祈りをささげます」と追悼した。

 米国で最も権威のある専門メディア「ザ・リング」もSNSに「神足茂利さんの逝去を知り、心から悲しんでいます」と投稿。1909年創刊の英メディア「ボクシング・ニュース」もSNSで「心から悲しんでいます。ボクシング・ニュースは彼の愛する人たちにお悔やみ申し上げます」と哀悼の意を示した。

米「ボクシング・シーン」も「神足茂利選手が亡くなったことを知り、深い悲しみに暮れています。安らかに眠ってください、チャンプ」とSNSに投稿。海外の主要メディアは続々と神足さんの逝去に哀悼の意を示している。

 神足さんは東京・後楽園ホールで行われた東洋太平洋スーパーフェザー級タイトルマッチで、王者・波田大和(28)=帝拳=に挑戦。ジャッジの採点は三者三様の引き分けで、王座獲得はならなかった。試合後に医務室で意識を失い、救急搬送され、3度の手術を受けていた。

 神足さんはアマチュアで50勝(5RSC)23敗の戦績を残し、日大卒業後にM・Tジムに入り、2019年10月に2回TKO勝ちでプロデビュー。波田戦がタイトル初挑戦だった。プロ戦績は8勝(5KO)2敗2分け。

 日本プロボクシング界では、2023年12月26日の日本バンタム級タイトルマッチ後に意識を失い右硬膜下血腫のため手術を受けた穴口一輝さんが、24年2月2日に23歳で亡くなっている。

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