日本サッカー協会(JFA)の宮本恒靖会長が10日、釜本邦茂さん(日本サッカー協会元副会長)の訃報(ふほう)を受けて追悼コメントを発表した。

 「釜本邦茂さんの訃報に接し、お悔やみを申し上げます。

  1968年メキシコオリンピックでのゴールや日本代表で歴代最多の75得点が示す通り、釜本さんは不世出のストライカーでした。同時に私のキャリアにおいて多くの影響を与えてくださった方でもあります。

 私がガンバ大阪ユース一期生としてプレーし始めた頃、その母体となった釜本FC出身の選手たちが持つ「ボールを止める・蹴る」技術の高さに驚かされました。釜本さんは指導の際にサッカーのベースとなる基本技術を大切にしていらしたと聞きました。その後プロになってからも釜本さんのキックの強さや正確性にまつわる逸話を耳にし、私も良い選手になろうと精力的にキック練習に励みました。

 JFA副会長を務められていた時期はちょうど私が日本代表でキャプテンを務めた頃と重なり、ピッチの外側からチームをサポートしていただきました。また、私の引退後は、釜本さんが主催していた「釜本サッカー教室」に何度かゲストとして呼んでいただきました。2014年のことだったと思いますが、東京の駒沢競技場で「50年前の東京オリンピックの時にここでやった試合に出ていたんだよ」と、集まった小学生200名に話されました。生涯を通じて日本サッカーの普及、振興に努められている釜本さんのお姿に多くのことを学びました。

 サッカー日本代表はいま、釜本さんが点取り屋として君臨し、銅メダルを獲得されたメキシコオリンピック以来の快挙を目指し挑戦を続けています。釜本さんに良い報せをお届けできるよう邁進してまいります。

 釜本さんの生前のご功績に敬意を表すとともに、ご冥福を心よりお祈り申し上げます」

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