1968年メキシコ市五輪でアジア勢初の表彰台となる銅メダル獲得に貢献したサッカー日本代表のエースで、同大会で得点王にも輝いたFW釜本邦茂さん(日本サッカー協会元副会長)が10日午前4時4分、肺炎のため大阪府内の病院で死去した。81歳だった。
日本サッカー協会の田嶋幸三名誉会長は10日、釜本さんの訃報(ふほう)を受けて、追悼のコメントを発表した。
日本サッカー協会を通じて、田嶋名誉会長は「釜本さんは私にとって憧れであり、本格的にサッカーを始めた中学生の時から常に目標にしていた選手でした」、「日本サッカーの星がまた一つ、消えてしまいました」などとコメントした。
◆田嶋幸三名誉会長のコメント全文
「釜本邦茂さんの突然の訃報に接し、ショックを受けています。療養されているのは知っていましたが、こんなに早く亡くなられるとは思ってもいませんでした。釜本さんは私にとって憧れであり、本格的にサッカーを始めた中学生の時から常に目標にしていた選手でした。大学1年生で臨んだ関東大学リーグ、われわれ筑波大学は4位でしたが、7試合で7得点を挙げて得点王になりました。1年生での得点王は釜本さん以来だと聞き、うれしく、そして誇らしく思いました。私をはじめ、多くの選手にとって釜本さんは常に目指すべき存在で、誰もが釜本さんを目標にサッカーに打ち込んでいたと思います。
今から半世紀以上も前に世界と伍して戦い、日本サッカーの存在を世界中に示してくれた名ストライカー、それが釜本さんでした。
日本サッカーの星がまた一つ、消えてしまいました。
釜本さんの長年にわたるご功績に心からの敬意と感謝を表します。ありがとうございました。安らかにお眠りください」