日本サッカー界が生んだ不世出のストライカー、釜本邦茂さん(享年81)が10日に亡くなったことを受け、日本代表の森保一監督(56)は広島市内でのイベント後にコメント。歴代最多の国際Aマッチ75得点のレジェンドをしのび「日本のストライカーには、釜本さんみたいになってもらいたい」と“釜本2世”の出現を待望した。

 森保監督は神妙な面持ちで故人をしのんだ。「本当に寂しい気持ち。ご冥福(めいふく)をお祈りしたい」。釜本さんとは直接、同じチームで仕事をしたことはないが、メキシコ市五輪で銅メダルに貢献したストライカーに「日本のレジェンド中のレジェンド」と尊敬の念を込めた。

 「釜本さんが銅メダルを獲得され、そこを目標に日本代表、五輪代表は活動していた。日本が世界でも勝っていける、戦えるということを我々に示してくださった偉大な方」。指揮官自身も2021年東京五輪でU―24日本代表を率い、メダルまであと一歩となる4位。釜本さんが現役時代に世界と互角に戦った姿を目標に突き進んできた。

 22年(カタール大会、16強)に続き、2度目の指揮となる26年北中米W杯での目標は優勝と公言する。「日本のストライカーには釜本さんみたいになってもらいたい。釜本さんのようなストライカーが(今後)出てくれば、(そうなれば)また日本も世界を取る確率が上がってくると思います」とうなずき、「同じポジションでやっている選手は特に、ストライカーとして、(釜本さんのようなプレーを)イメージして、自分の成長に(注力して)、日本代表の勝利に貢献してもらいたい」と期待を込めた。

 1993年のJリーグ発足時は、釜本さんがG大阪の監督で、森保監督は広島の選手という立場だった。

あらためて森保監督は代表通算歴代最多75得点の前人未到の功績を引き合いに「代表の試合が少ない中でも、(これだけ多く)点を取られているすごい方」と語った。日本サッカー界を強くしようと同じ志を持ち、背中を追いかけた偉大な存在。天国の釜本さんを思い、1年後のW杯へと前進を続けていく。(岩原 正幸)

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