◆卓球 ◇WTTチャンピオンズ横浜 第4日(10日、横浜BUNTAI)

 女子シングルス準々決勝が行われ、昨夏パリ五輪銅メダルで世界ランク13位の早田ひな(日本生命)は、同3位の陳幸同(ちん・こうどう、中国)に2―4で敗れた。

 早田は両ハンドを力強く振り抜き、前陣での高速ラリーでも世界3位を上回って2ゲームを先取した。

だが、第3ゲーム以降は相手の対応力に苦しんだ。ラリーで1本、2本と多く返ってくるようになり、次第にミスが増えた。4ゲームを連取され逆転負けを喫した。

 陳には過去4戦未勝利だった。0―4で完敗した5月の世界選手権個人戦から着実に差は詰めたものの「1、2ゲーム目はすごくいい状態でリードできたけど、そこからの相手の戦術のうまさや切り替えの速さ、対応力の高さを痛感した。ただただ、実力不足。全ての面で相手が上のレベルだった」と素直に認めた。

 ただ、パリ五輪の左腕の負傷で制限をかけていたバックハンドなどの技術も、約1年がたち、今大会では思い切って出すことができた。「世界選手権の時は怖さもあったし、この技術はやめた方がいいという医師の判断の上で試合をしていた。今日は自分を全て解放できた。負けはしたけど、久々にやりたいことをやって、試合ができた」と手応えもにじんだ。

 もう一つの不安も抱え込むことなくプレーできた。

9日の張本美和(木下グループ)との2回戦は第5ゲームでメディカルタイムを取り、左手の治療を行った上でのフルゲーム勝ち。試合後に約2か月前から尺骨神経の圧迫で左手の小指と薬指がしびれた状態が続いていたと明かしていた。

 連日の試合で左手のコンディションが心配されたが、この日は同士打ちではなかったため、岡雄介トレーナーがベンチ入り。ゲーム間に入念にマッサージを受け「筋肉を緩めてもらいながら、試合だけに集中することができた。切り替えて頑張れた」と語った。次戦は14日のヨーロッパスマッシュ(スウェーデン)に出場予定。「今日負けた反省をしっかり生かして、1つでも課題を克服できてチャレンジできたら」と前を向いた。

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