◆明治安田J1リーグ▽第25節 広島0―0清水(10日・Eピース)

 日本代表・森保一監督が急きょ予定を変更し、この試合を視察した。夕方に広島市内でのイベントを終え、当初はG大阪―岡山戦(パナスタ)戦に向かう予定も、新幹線が大雨の影響を受けたため、6日の天皇杯(広島―清水)と同じくEピースでの試合視察となった。

 試合後、取材に応じ「2試合目(今日の試合)は天皇杯からどう移り変わったのかという意味では、エスパルスは完敗した天皇杯から修正して、勝ちに値するような、勝ち点1はしっかりと取りながら勝利できる(可能性のある)試合をしていた」と振り返った。

 広島の日本代表GK大迫敬介が、前半45分のCKからの清水DF高木のヘディングシュートのピンチ、また後半41分にはDF北爪との1対1をいずれもビッグセーブで救世主となった。広島の守護神については「チームの中心として、我々が代表にも選ばせてもらっている実力を見せてくれた。チームを救った」と評した。

 9日にフランス2部Sランスからベルギー1部ゲンクに3年ぶり復帰が発表された日本代表MF伊東純也については「所属チームでのプレーが基本だが、代表チームで(これまで)どれだけのものを見せてくれているかというのは、我々にとっても(選ぶだけの)基準を持っている選手だと思う」と変わらぬ信頼を示し、新シーズンに向け「さらにコンディション、パフォーマンスを上げてもらえるように、思い切ってチャレンジしてほしい」とエールを送った。

 また改めて、釜本邦茂さんの訃報について報道陣から問われると「日本のサッカーを世界の舞台に押し上げてくれた方。メキシコ(市)五輪で銅メダルを取られて、世界の中で(日本の)サッカーが勝っていけるんだという希望の光を見せてくれた方ですし、その結果(銅)よりもさらに上に行くことを我々が目指せるようになっているというのは釜本さんのおかげ」と故人をしのんだ。

 さらに「“世界の釜本”だと思っていますので、日本人の組織力だけではなく、個の力でこじ開けて点を取る、状況を打開できるということを示してくれた方だと思います。釜本さんがやってこられたことを、我々は超えていけるようにできれば」と決意を新たにし、「我々が(W杯で)世界一を取るためにはストライカーの存在が不可欠。釜本さんに追いつき、釜本さんを追い越すようなストライカーが出てきてくれることを期待したい」と結んだ。

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