◆卓球 ◇WTTチャンピオンズ横浜 最終日(11日、横浜BUNTAI)

 男子シングルスで世界ランク4位の張本智和(トヨタ自動車)が頂点に立った。5月の世界選手権個人戦金メダルで、同2位の王楚欽(中国)との決勝を4―2で制した。

WTTチャンピオンズで初代王者に輝いた22年7月の欧州サマーシリーズ以来、2度目の優勝を飾った。

 初の自国開催で日本男子のエースが躍動した。王とは過去の対戦で2勝12敗。直近8連敗中だった。準決勝後「格上なので、自分は向かっていくだけ。でも捨て身ではなく、しっかりチャレンジャーの気持ちでプレーしたい。何よりも決勝で勝つという強い意志で臨むことが一番大事」と意気込んでいた。

 世界王者に前陣での高速ラリーで上回り、第1ゲーム(G)を11―9で先取。第2Gも7―2から相手の強打をバックハンドのカウンターで鮮やかに返すなど、勢いは止まらなかった。王が何度も首をかしげる圧巻のプレーを続け、第3Gも11―8で制した。

 第4Gは相手が先行。6―10から3連続得点で追い上げたが、強烈な3球目のフォアで打ち抜かれた。

第5Gも11―13で競り負けた。それでも第6ゲーム。出足から3連続得点で波に乗ったが、4―2の場面で足を痛めた様子を見せ、審判にメディカルタイムアウトを求めた。大会の規定にのっとり、メディカルブレイクで大会側の医療スタッフに聞き取りを受け、両足の太もものマッサージなどを受けた。

 再開後、フットワークにやや不安を抱える様子を見せながらも、確実性を重視したプレーでリードを広げた。最後は10―4から台上の攻防を制し、静かに歓喜したが、優勝が決まった後は、シャツを脱ぎ上半身裸になって勝利の雄叫びをあげた。

 コート上での優勝インタビューで「本当に信じられないです。皆さんありがとうございます。彼とは負ける数が10回も多いので、思い切ってやるしかないと思っていた」と歓喜のあまり声を震わせた。

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