大相撲で史上3人目となる英国出身(1997年中国返還前の香港を含む)力士誕生へ、ニコラス・タラセンコ(16)が12日、埼玉・川口市にある湊部屋で相撲を取る稽古を行った。190センチ、120キロの体を生かして寄り切った。
一方で腰が高く、立ち合いから懐に入られ、もろ差しを許した。そのまま寄り切られるなどあっさり負ける場面もあった。師匠の湊親方(元幕内・湊富士)に低く当たるよう指摘される場面もあり、「立ち合いなどまだまだ学ぶことは多い」と反省。同親方は「足が長いから」と弱点克服のため、指導にも熱が入っていた。6月末に来日し、7月の名古屋場所中に日本相撲協会の面談を受けて研修生になった。今後は研修を経て、早ければ来年5月の夏場所でデビューする。稽古後には箸を使ってちゃんこを食べ「日本の食事はおいしい」となじんでいるようだ。
名古屋場所中は、取組を部屋の宿舎で観戦し、「優勝争いした(ウクライナ出身の)幕内・安青錦(安治川)が一番印象に残った」という。同じ青い目のタラセンコは、幕内土俵での活躍を夢見ていた。