◆プロボクシング ▽WBOアジアパシフィック・スーパーフライ級(52・1キロ以下)タイトルマッチ10回戦 〇王者・川浦龍生(判定)同級10位・白石聖●(12日、東京・後楽園ホール)
8日に12回戦から10回戦への変更が発表されたWBOアジアパシフィック・スーパーフライ級タイトルマッチで、王者・川浦龍生(31)=三迫=が3―0(97―93、98―92×2)の判定で同級10位・白石聖(じょう、28)=志成=を下して2度目の防衛に成功した。戦績は川浦が13勝(9KO)2敗、白石が12勝(6KO)1敗1分け。
サウスポーの川浦は、オーソドックスの白石の右の打ち終わりに左ストレートを的確にヒット。終盤まで左で主導権を握った。最終回は白石のガムシャラな左右フックに守勢に回ったが、4~6ポイント差をつけて完勝。川浦は「やりにくい相手に判定で勝てたことはよかった。倒したかったが、うまく芯を外されて、相手のうまいところにやられてしまった」と振り返った。
世界ランクはWBA3位、WBO5位、IBF7位と上位につけており、将来の世界挑戦も見据えている。三迫貴志会長が「内容的には完勝だが、世界ランク上位という意味ではもっといい勝ち方ができたのではないか。求めているものが高いので、やりにくい相手でも倒せるところは倒したい。ただキャリアとしてはいい経験になった」と語ると、川浦も「見ていた方も(きょうの内容では)納得してくれないんじゃないかと思う」と辛口評価だった。
2日に東京・後楽園ホールで行われた興行に出場した2選手が急性硬膜下血腫で死去。2件のリング禍を受け、JBCは8日、今回のタイトルマッチを10回戦に短縮すると発表。11日までに、今後すべての国内開催のWBOアジアパシフィック王座戦、国内外の東洋太平洋王座戦が10回戦で開催されることも決まった。
川浦は試合直前のラウンド短縮の影響について「最初からポイントを取らなきゃなと思ったかもしれない」と話し、リング禍が相次いだことに対して「自分がもうこういう道でやると決めて、目標である世界チャンピオンに向けてやっている。どのスポーツをやっていてもそういうリスクはあると思う。事故が起きてしまっては何とも言えないが、いろいろ頭に置いてはやっている」と言葉を継いだ。
また、三迫会長は「我々としては事故を二度と起こさないために努力を怠ることなく、しっかり検証して、改善策を考えたい。(対策に)終わりはない。協会とコミッションが一緒になっていろんな対策を講じたい」と今後も事故防止対策に注力することを誓った。