プロボクシングの前WBC世界ミニマム級王者の重岡優大(28)=ワタナベ=が13日、自身のインスタグラムで現役引退を表明した。弟の前IBF世界ミニマム級王者・銀次朗(25)=ワタナベ=は5月のIBF同級タイトルマッチ後に急性右硬膜下血腫で開頭手術を受け、現在は地元・熊本の病院で治療を受けている。

優大は「先日、弟・銀次朗が熊本の病院に転院しました。そして今日、俺・優大はボクシング引退を決意しました」と報告した。

 優大は、銀次朗が救急搬送された国立病院大阪医療センターへ「本当に感謝しています。命の恩人です。銀が元気になったら、必ず2人で挨拶に行きます」と感謝の意を示し、銀次朗の現状について「1日3時間・3種類のリハビリに挑戦中です。『諦めるなよ、頑張れよ』と毎日声をかけ、あいつの心の炎を消さないよう支えています」と記した。

 「6歳から共に格闘技を始め、これまで2人で数えきれない壁を乗り越えてきました。銀がいたから、俺はここまで来れた。銀の夢は大きく、まだまだ夢半ばでしたが、これからの人生を彩るのは兄である俺の役目だと思っています」と銀次朗への思いをつづり、「これから『ここに行けば銀次朗に会える!』そんな場所を作ります。それが俺の新しい夢です。着々と計画は進んでいます。そのために俺も引退を決意しました。

後悔はありません。ここからが本当の勝負だろ。空手やボクシングで学んだこと―毎日コツコツ、日々努力、継続は力―を胸に、新しい道で銀と一緒に花を咲かせます」と新たな夢へと歩み出すことを明かした。

 最後に「引退しますが、これからも重岡兄弟の生き様を見ていてくれたら嬉しいです。今までたくさんの応援、本当にありがとうございました。みんな、絶対また会おうぜ」とファンへのメッセージで締めくくった。

 優大は、アマチュアで82勝(20RSC)10敗の戦績を残し、2019年10月にプロデビュー。22年11月に日本ミニマム級王座を獲得。23年4月にWBC世界同級暫定王座を獲得。同年10月、正規王者との統一戦を制してWBC世界同級正規王者となった。24年3月、2度目の防衛戦でメルビン・ジェルサエム(フィリピン)に敗れ王座陥落。25年3月、ジェルサエムとの雪辱戦に挑み判定負けした試合が現役最後となった。

プロ戦績は11戦9勝(5KO)2敗。

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