陸上女子800メートルの日本記録保持者・久保凛(17)=東大阪大敬愛高=が27日、長野・菅平高原での合宿を公開した。初の代表入りが有力な東京世界陸上(9月13日開幕、東京・国立競技場)へ「ファイナルに残れるように頑張りたい。
大舞台を前に、同い年のいとこから刺激を受けた。21日には、サッカー日本代表MF久保建英(24)=Rソシエダード=の弟・瑛史(えいじ、17)がスペインから帰国し、J1のC大阪に加入することが発表された。「同じように世界、トップを目指している。競技は違うが、いとこが頑張っているからこそ自分も頑張ろうっていう気持ちになれます」と笑顔で、うれしいニュースを受け止めた。
久保も小学1年から6年間、サッカーに熱中。本格的に陸上を始めたのは中学1年からだ。800メートルのレースではスタート直後の位置取りや判断力、瞬発力が問われる。「(集団走で)ゴチャゴチャってなったり、相手が来たときに瞬時に対応できる力は、サッカーで身についた視野の広さが生きてきているのかな」と明かす。世界陸上では国内にはない激しい展開も予想される。「その視野を生かして。油断してしまうと抜かれて離されてしまうので、先頭に食らいついてしっかり走りたい」と気合を入れ直した。
菅平合宿は今季4度目。日本新記録(1分59秒52)を樹立して2連覇した7月の日本選手権(東京・国立競技場)前にも行った。標高約1300メートルの高地であることから「心肺機能の面でもしっかり鍛えられる」と手応え。7月末の全国高校総体(広島)で3連覇後は左脚に軽度の肉離れを起こし、約1週間走れなかった。入念な治療やリハビリで徐々に回復。「予想以上にうまく調子も戻せている」。世陸800メートル予選の9月18日にまず照準を合わせる。(手島 莉子)
◆女子800メートルの世界陸上日程 9月18日の午後7時55分から予選、19日の午後8時45分から準決勝、大会最終日となる21日の午後7時35分から決勝が行われる。