◆関西学生アメリカンフットボールリーグ1部 関大17―6京大(28日・万博フィールド)

 開幕し、昨季3位の関大が同6位の京大に競り勝った。大雨のなか、第1クオーター(Q)2分50秒にRB山崎紀之主将(4年)=箕面=が29ヤードの先制タッチダウン(TD)を決めた。

4月に就任した和久憲三新監督(40)が初陣を飾り、2年ぶりの優勝(23年は関学大、立命大と3校が同率V)へ好発進した。今季も3位以内が全日本大学選手権(決勝は12月14日の甲子園ボウル)に出場する。

 勝利が決まり、関大の和久監督は厳しい表情を緩めた。「いやぁ、緊張しました(笑)」。大雨の初陣は2TDのみと反省点は多いが、自信につながる1勝目をつかんだ。

 異色の経歴を持つ新指揮官は攻めの姿勢を貫いた。第1Qに山崎が先制TDを決めてから苦戦したが、10―0で迎えた第4Q5分15秒。27ヤードを残した第4ダウンで選手に「行こう!」と声をかけた。FGでの3点ではなく、ギャンブルを選択。一か八かで、RB前川礼男(3年)=関大第一=がTDを奪った。和久監督は「TD取れば勝ち切れると思った。選手に感謝です」と胸をなで下ろした。

 関大卒業後は大手証券会社で営業をしながら、アサヒ飲料でプレー。「やりたいことをやる」と米国、カナダにアメフト留学。屈強な体を生かし、ボブスレーにも挑戦し、五輪強化指定選手に選ばれた。格闘技イベント「巌流島」に出場するなど、人生経験は豊富だ。

 ドラマと映画が大ヒットした「踊る大捜査線」で、いかりや長介さんが演じた和久平八郎にちなみ、学生時代の愛称は「和久さん」。15年から関大でコーチを務め、山崎は「いつでも話を聞ける存在」と、選手から親しまれている。「挑戦する楽しさ、大事さをフットボールを通じて伝えたい」と指揮官。監督としての経験と、白星を積み上げていく。(森脇 瑠香)

 ◆和久 憲三(わく・けんぞう)1985年3月15日、大阪府生まれ。40歳。関大第一高からアメフトを始め、関大ではU―19日本代表に選出。07年にアサヒ飲料入団。

在籍しながら米国の室内プロフットボールリーグでもプレー。14年にカナダのトロントレイダース(独立リーグ)に加入。15年から関大コーチを兼ねてオービックでプレー。17年シーズン限りで引退したが、23年に現役復帰。現役時代は178センチ、103キロ。ポジションはDL、TE。

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