パ・リーグ 西武1―7オリックス(30日・ベルーナドーム)

 オリックス・広岡大志内野手(28)が勝利の扉を開けた。「狙い球を絞っていきました」と集中力を高めたのは3回。

1死一、二塁で松本が初球に投げたカーブを捉え、左越えに先制の6号3ランを運んだ。「いい感触だった」と、仲間の祝福に笑顔で応えた。

 今季は6本塁打のうち、先制弾が3本、逆転弾が2本、そしてサヨナラ弾が1本。効果的な一発が目立つ。だが、7月11日の日本ハム戦(エスコン)で右ろっ骨骨折から復帰後、同月は月間打率2割3分9厘と、やや苦しんだ。

 試合前練習では連日、嶋村1軍打撃コーチと意見交換。ある時は「振り出しのところが少し硬くなっている」とヒントを与えてもらった。「ずっと見てくれている。自分の思っていることと、しっかり照らし合わせて」。試行錯誤を重ね、8月17日の西武戦(京セラD)では、延長12回に自身初のサヨナラアーチ。2か月半ぶりの一発を放つと、以降は10試合でマルチ安打2度と1番打者としての存在感を光らせる。

 「目の前の(試合に)勝つことだけにこだわって、結果を大事にやっていきたい」。

チームはビジター4連勝で、CSを争う4位・楽天とは5ゲーム差を維持。「未完の大器」を卒業した28歳が、残り28試合も打線の核として君臨する。(南部 俊太)

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