◆第60回札幌2歳S・G3(9月6日、札幌競馬場・芝1800メートル)
近親に活躍馬が多い血統馬がそろい、どの馬にとっても試金石となる楽しみな2歳重賞だ。キャリア1戦1勝の馬は8頭を数えて、人気も割れそうな馬券的にも妙味がありそう。
8月2日の札幌での新馬戦(芝1500メートル)は、4角7番手から外から豪快な伸び脚を見せて3馬身差の快勝を飾った。2着だったレッドスティンガーが、続く2戦目で勝ち上がったことを考えればレースレベルは低くない。特に上がり3ハロン最速33秒9をマークしたのは注目に値する。
今年の札幌の芝で上がり3ハロン33秒台を記録した馬が走ったレースは、ポペットの勝った新馬戦を含めて5レースあり、他は全て格上の古馬が戦ったスピード自慢のそろう1200メートル戦。いくらヨーイドンのスローペースとはいえ、芝1500メートルの2歳戦で記録したのは能力の証拠。高橋康調教師が「いい勝ち方でした。思った以上に切れました」と驚いたのは正直なところだろう。
新馬戦当時の馬体重が416キロと小柄な牝馬で、最終週の荒れた馬場への対応はカギになりそうだが、そこは血統に期待を込めたい。欧州血統の父サトノクラウンは、現役時代に道悪の宝塚記念(2017年)を制するなど力を要する馬場を苦にしなかった。不安よりも魅力が大きいとみて、一発狙ってみたくなる。(坂本 達洋)