13日開幕の東京世界陸上に出場する、いずれもミズノ所属で男子200メートルの飯塚翔太、400メートルの佐藤風雅、やり投げのディーン元気が3日、オンライン取材に応じた。

 佐藤は7月の日本選手権で失格も、訂正され優勝。

3大会連続で代表入りとなり、「さまざまな経緯があったが、今は競技に集中して切り替えられている。いただいた裁定は素直に受け止めている。メンタルの低下はない」と大舞台への気持ちを語った。

 目標には44秒台マークと決勝進出を掲げた。昨夏のパリ五輪は後半に失速して予選敗退。シーズン前には「スピードアップから逃げちゃいけない」とトレーニングを重ねた。4×400メートルリレーにもメンバー入りし、パリ五輪6位の雪辱に燃える。

 自国開催への思いも強い。これまでの世界選手権では「いい記録を出したときに地鳴りがした」と振り返り、「自分の国でそれができたら、どれだけ気持ちいいんだろうと想像してやってきた」と心待ちにしている。「今年こそ日本記録(44秒77)を見せたい」と意気込む29歳が、大歓声の前で好記録をたたき出す。

 ◇佐藤を巡る再審議の経過

 ▽7月6日 失格。

 ▽8月19日 ミズノからの問い合わせを受け事実確認を実施。

審判長は画像などの資料をもとに失格理由の「1歩(回)完全に踏み越えた」を取り消し、「2歩ラインを踏んだ」に変更。

 ▽同20日 「2歩ラインを踏んだ」との失格理由について、抗議手続きで触れられていなかったことから、改めて抗議を受け付けることをミズノへ通告。

 ▽同21日 ミズノからの新たな抗議を受理したが、審判長が「2歩ラインを踏んだ」との失格裁定を改めて維持。ミズノが上訴申立書を提出。

 ▽同22日 ジュリー(上訴審判員)が審議し「2歩ラインを踏んだことによる失格」の裁定を棄却。

 ▽同23日 他の選手らから抗議の場を設け、審判長は改めて失格の取り消しを変更しないとした。ジュリーは審判長の裁定を支持。裁定を受け、WA(世界陸連)へ記録変更を提出。

 ▽同24日 WA公式サイトで訂正を確認。

 ▽同25日 訂正を発表。

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