◆第60回札幌2歳S・G3(9月6日、札幌競馬場・芝1800メートル)
これこそ千載一遇のチャンスだ。第60回札幌2歳S・G3(6日、札幌)でポペットに騎乗するデビュー2年目の橋木太希騎手(19)=栗東・フリー=は、うれしい重賞初挑戦となる。
同馬の新馬勝ちを含めて自身のJRA通算勝利は2勝にとどまるが、人馬ともに初タイトルへ鼻息は荒い。「勝った次の日に先生(高橋康調教師)から『そのまま行ってくれ』と言われて、本当にうれしかったです。オーナーや先生、厩舎の皆さんに感謝ですし、結果で恩返ししたい」と笑顔で胸を高ぶらせる。
8月2日の札幌での初戦は、4角7番手から上がり最速33秒9と破格の切れ味を発揮して3馬身差の快勝。7番人気の低評価を覆して、重賞でも侮れない存在となった。「あそこまで突き抜けてくれましたからね。馬群でもまれて、4コーナーでも狭いところを割って、そういう経験を積めて自信しかないです」と、相棒に全幅の信頼を寄せる。
自ら好機をたぐり寄せた。今夏は初めて北海道シリーズに参戦して、関東の厩舎の調教も積極的に手伝っている。「(高橋康)先生から提案してもらって、縁が広がって身になっています。実際にこうやってチャンスをいただけたので」。高橋康厩舎の騎乗依頼が多いのも、進んで調教を手伝ってきたためだ。
札幌・ダートコースでの最終追い切りは、5ハロン70秒4―11秒0と単走ながら抜群の伸びを見せた。鞍上が「鳥肌が立つ反応の良さ」と驚くほどだった。あとは結果だけだ。(坂本 達洋)