◆プロボクシング ▼WBO世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 武居由樹―クリスチャン・メディナ▼WBA、WBC、IBF、WBO世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)タイトルマッチ12回戦 井上尚弥―ムロジョン・アフマダリエフ▼WBA世界ミニマム級(47・6キロ以下)王座決定戦12回戦 高田勇仁―松本流星(9月14日、名古屋・IGアリーナ)

 世界初挑戦のWBA世界ミニマム級1位・高田勇仁(ゆに)が4日、東京・東大和市の所属ジムで練習を公開。17歳でのプロデビューから10年、すでに8敗を喫している高田は「やっとチャンスが来た。

諦めなければ夢をつかめるところを見てほしい」と力を込めた。

 「自分はたたき上げ」と語る。19年11月からの3年間は一度も勝てず(4敗2分け)、3度ほど引退を口にした時期もあったが「ボクシングが好き。諦められない」と奮起。打たれ強さを生かしたファイタースタイルへの戦術変更も奏功し、22年以降は日本王座、WBOアジアパシフィック王座を獲得するなど8連勝で世界への挑戦権を得た。

 対戦相手の同級2位・松本流星は、アマ4冠を誇りプロ6戦全勝(4KO)での世界初挑戦。同じ27歳だが、歩みは対照的だ。高田は「エリートを倒したらどう盛り上がるか。負けが多い選手でもチャンピオンになれると証明したい」と闘志を燃やした。

 公開練習では、通常の右構えでなくサウスポースタイルでスパーリングを行い、視察に訪れた松本陣営に手の内を見せなかった。「何が何でもベルトを取りにいく。ジム初の世界チャンピオンになる」と強い決意を口にした。

(勝田 成紀)

 ◆高田 勇仁(たかだ・ゆに)本名・カバーレ・ユニ。1998年6月10日、フィリピン・ダエト生まれ。27歳。父は日本人、母はフィリピン人。8歳まで祖母らとフィリピンで生活し、2007年に両親と一緒に暮らすために日本に移住。15年8月にプロデビュー。23年4月に日本ミニマム級王座獲得。今年1月にWBOアジアパシフィック同級王座を獲得。戦績は27戦16勝(6KO)8敗3分け。身長157センチの右ファイター。好きな食べ物はすし、フィリピン料理のアドボ、シニガン。

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