歌手のアイナ・ジ・エンドが5日、東京・新宿区の歌舞伎町でゲリラライブを開催した。事前告知なしにも関わらず、ステージ前には約3000人の観客が集結。
澄み渡る夜空に向かって歌声を響かせた。この日は朝から強い雨が続いたが、ライブが始まる前には降りやむ強運ぶり。屋外ステージに姿を見せたアイナは「虹女なんです。虹を架けに来たんです」とニヤリと笑い、ハスキーボイスの交じった独特な調子で歌舞伎町を包み込んだ。
路上ライブは下積み時代に何度も経験してきた。当時は最寄り駅だった中野駅によく足を運んでいたという。「仕事終わりのサラリーマンの方に『歌ってほしい歌はありますか?』って聞いて、中森明菜さんとか歌ってた。で、ケンタッキーおごってもらってた」と懐かしそうにほほ笑んだ。
そこから約10年。3日に発売した「革命道中」は、SNSでの総再生回数が約6億回を記録する大ヒット。日本人アーティストで唯一、現在の「ビルボード グローバル200」にランクインするなど、国内外で知られるアーティストになりつつある。
2023年に8年間活動した「BiSH」が解散し、ソロとして再出発してから2年。最初は「1人でステージに立つことが怖かった時もあった」と振り返る。それでも、昨年に武道館公演や海外での単独公演を初めて行うなど、着実にステップアップを遂げてきたことで「最近になって地に足が着いてきた感じ」と手応えを口にするまでになった。
その自信を引っさげ、10月からは全国9都市を巡るツアーを開催予定。この日のMCでは、12月20日に自身過去最大規模となる東京ガーデンシアターでのワンマンライブも発表した。「これからまたギアを上げてやっていきたい」。”革命”までの道のりは、まだ始まったばかりだ。