◆車いすテニス ▽全米オープン(5日、米国・ニューヨーク)

 車いすテニスで、2024年パリ・パラリンピック男子シングルス金メダル、世界王者の小田凱人(東海理化)が、4大大会とパラリンピックすべてを制する男子シングルス生涯ゴールデンスラムの快挙に王手をかけた。世界ランキング3位のマルティン・デラプエンテ(スペイン)に6-3、6-3のストレート勝ち。

決勝では、同4位のグスタボ・フェルナンデス(アルゼンチン)と対戦する。

 マッチポイントで、小田はバックのリターンを放つと、相手のラケットをはじいた。相手が12本のダブルフォルトと、サーブの不調に助けられたが、快挙に王手の喜びはひとしおだった。勝利が決まると、雄たけびとともに、両手を突き上げた。

 第1セット、相手だけでなく自身もサーブが不調の小田は、最初の4ゲームでダブルフォルトが3本。相手に1-3とリードを許した。しかし、続く第5ゲームで、1-4になるポイントがある中、約9分をかけてサービスキープに成功。反撃ののろしを上げた。1-3から5ゲームを連取。第2セットは2-3から4ゲームを連取し、ストレートで世界3位を下した。

 決勝では、パリ・パラリンピックで金メダルを争った同2位のアルフィー・ヒューエット(オーストラリア)を下したフェルナンデスとの対戦だ。対戦成績は小田から10勝2敗。

現在、5連勝中だ。

 過去、生涯ゴールデンスラムを達成したのは、男子シングルスで国枝慎吾(ユニクロ)ただ1人。女子シングルスでも、2021年東京パラリンピックを制したディーデ・デフロート(オランダ)だけだ。

 小田は、来年5月に20歳になる。シングルス史上3人目の快挙を、10代に達成できるのは、今年が最後だ。「10代でどうしても達成したい。名前を残したい」。その夢がかなうまで、残り1勝だ。

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