将棋の棋士養成機関「奨励会」の第77回三段リーグ最終節が6日、東京・渋谷区の将棋会館で行われた。竜王戦の予選(5組)で棋士養成機関の奨励会員として初めて優勝した山下数毅三段が、対局後の会見でプロ入りする意思を示した。

 山下は今期10勝8敗で成績による昇段(上位2人)を逃したが、過去に一度、次点(3位)を獲得。竜王戦での規定(予選優勝)による次点と合わせて昇段が決まった。順位戦に参加できないフリークラスに入る。山下はこの日、1勝1敗だったが、2局目を前に師匠・森信雄七段と話し合い、プロ入りの意志を固めていた。理由に「今回権利を行使しなかった場合、すぐに(四段に)上がる保証もなかったので権利を使うことにしました」と説明した。

 前期の成績により、竜王戦は4組。名人・順位戦を除く7棋戦に登場する。「難解な終盤を考えるのが好き。フリークラスでも変わらず一局一局丁寧に積み重ねていければ」と意気込んだ。

 今期は岩村凛太朗三段、生垣寛人三段の上位2人に加え、片山史龍(しりゅう)三段が山下同様に次点2回で四段となる。4人同時は史上初。10月1日付で昇段する。

 ◆山下 数毅(やました・かずき)2008年6月3日、英・ノッティンガム市出身。17歳。師匠は森信雄七段。得意戦法は角換わり。趣味はプログラミング。

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