バレーボール女子 世界選手権(6日、タイ・バンコク)

 準決勝が行われ、世界ランク5位の日本は、同4位のトルコに1―3で逆転負けし、1978年以来、47年ぶりの決勝進出を逃した。7日の3位決定戦で2010年以来、4大会ぶりの銅メダルを目指し、24年パリ五輪銅の同2位・ブラジルと対戦する。

日本は19得点の石川真佑主将(25)=ノヴァーラ=、チーム最多22得点の和田由紀子(23)=NEC川崎=らの多彩な攻撃が光った第1セット(S)は25―16と圧倒したが、トルコの高さとパワーに屈して2Sを連取され、第4Sもジュースの末に25―27で屈した。7日の決勝は、ブラジルとの激戦をフルセットの3―2で逆転勝ちで制したパリ五輪金の同1位・イタリアとトルコになった。

 47年ぶりに歴史の扉をこじ開けることはできなかった。主将の石川はトルコの歓喜の輪を見つめた。すぐに円陣をつくり「勝てた試合。悔しい」と仲間に声をかけた。自身が放った最後のスパイクがコート奥に外れた佐藤は、両手で顔を覆い号泣した。

 メダルに届かず4位に終わった7月のネーションズリーグ(NL)後、石川主将が「精度を高める」と鍛えてきた多彩な攻撃が続かなかった。過去対戦は日本の13勝11敗。先発の平均身長が13・5センチも高いトルコを、第1Sは強気なサーブと手数の多い攻撃で完全に崩した。和田や石川が緩急をつけたスパイクで攻め立て、課題だった佐藤のバックアタックもさく裂。しかし第2S以降は相手が息を吹き返した。

身長194センチの相手エースのバルガスらの豪打に圧倒され、第4Sもセットポイントを握ってから逆転で奪われた。NL準々決勝でフルセット勝ちした難敵に雪辱を許し、和田は「全員で取り切る力が、まだ足りなかった」とセット中盤以降の失速を嘆いた。

 今季からトルコ出身で同国女子代表を率いた経験もあるフェルハト・アクバシュ監督(39)が就任。21年東京、24年パリ五輪代表の石川は「経験」と「まじめさ」を信頼され、主将を任された。イタリア1部で2季活躍している新主将は国内リーグに在籍する選手も多いチームで、日本女子初の外国人監督との“パイプ役”も担う。パリ五輪までエースで主将の古賀紗理那さん(29)の背中を見てきて「学ぶものはある。でも比べるより自分らしく引っ張って主将の在り方を築きたい」と、苦しい時にこそ背中で引っ張る姿勢を貫く。

 勝負の3位決定戦は7日。対戦相手は、イタリアとの準決勝でフルセットの激戦の末に敗れたパリ五輪銅メダルで世界ランク2位の“王国”ブラジルだ。ブラジルとは過去対戦成績で日本は46勝97敗。ブラジルは近年の主要タイトルを比較するとトルコよりも強力なチームだ。

 厳しい戦いが予想される銅メダル決定戦へ、和田は「まだメダルのチャンスはある。

やってきたバレーに自信を持って挑む」と必死に前を向いた。「ロサンゼルス五輪まで3年。1年、1年が勝負。世界選手権でメダルを目指していく」と、石川主将は諦めずに最後まで戦い抜く。

編集部おすすめ