将棋の棋士養成機関「奨励会」の第77回三段リーグ最終節が6日、東京・渋谷区の将棋会館で行われた。岩村凛太朗三段が14勝4敗で今期の最高成績を収め、10月1日付で四段に昇段することが決まった。
対局後の会見では「かなりの熱戦で、終局後は頭が真っ白の状況だった。2局目終了後に仲間から祝福の声をもらって、(昇段を)実感しました」と心境を明かした。
2017年に奨励会に入り、21年10月から三段リーグに参戦。なかなか得意とする戦法が固まらず苦労することもあったそうだが「居飛車と振り飛車を入れた複雑な形がいい方向にいった」と笑みを浮かべた。今期のリーグ前からは郷田真隆九段に指導を仰いでおり「かなり地力が上がったと実感している」と感謝した。
詰将棋も得意としており、今年3月の詰将棋解答選手権では藤井聡太七冠に次ぐ準優勝。趣味も詰将棋創作で「(自分が作った)詰将棋が色々なところで発表されるかもしれないので、注目してほしい」とアピールした。
昇段後は、タイトル挑戦に向けた戦いが始まる。「勝ちたい、強くなりたいを前提に、個性のある将棋をしたい」と意気込み、詰将棋ではあと一歩に迫る藤井の印象については「雲の上のような存在で、今すぐにたどりつけると思っていない」としながらも、詰将棋では「1、2位と並べたので、(勝利に)希望を感じております」と”大物食い”を狙っていた。
岩村のほか、2位の生垣寛人三段、次点2回獲得の片山史龍(しりゅう)三段、山下数毅三段も昇段する。4人同時は史上初。